2020年はMediaTekが初めてQualcommを上回り、スマートフォン向けシステム・オン・チップ(SoC)のシェアでトップに躍り出た年でした。MediaTekの勢いは今後も続き、2021年はさらにシェアを拡大してQualcommとの差を広げる見通しとのことです。
2021年はMediaTekが1/3以上のシェアを獲得する見通し
調査会社のCounterpointによると、スマートフォン向けSoCの分野において、2021年もMediaTekが37%のシェアでトップを維持する見通しとされています。
MediaTekの躍進は、TSMCで製造される150ドル以下の5Gスマートフォン向けSoCに供給の制約がなく、また4Gスマートフォンでのシェアが拡大しているためです。
MediaTekは2020年に年間を通して初めてスマートフォン向けSoC市場でシェアトップになっています。
一方QualcommはSamsungのオースティン工場からのRFICと電源管理ICの供給不足や、相対的に低い5ナノメートル(nm)チップの製造歩留まりにより制約を受け、31%のシェアで2位となる見通しです。
Appleは16%のシェアで3位と予想されています。
5G向けSoCではQualcommが首位
一方、5Gスマートフォン向けのSoCではQualcommが首位となる見通しです。
QualcommはSnapdragon 8シリーズから4シリーズまで幅広い階層で5Gソリューションを提供することで、5Gスマートフォン向けSoC市場のシェアを30%台に拡大するとみられています。
2位はiPhone12シリーズが好調なAppleでシェアは29%と予想されています。
MediaTekも手ごろな価格の5G向け製品を持つことで、シェアをほぼ倍増する見通しです。
また、2021年は7nm/6nm/5nmといった最先端プロセスで製造されるSoCが全体のほぼ半分を占める見通しとなっています。これらは主に5Gスマートフォン向けのものです。