Appleの「探す」ネットワークに対応した、最初のサードパーティー製品のひとつとなった電動自転車を製造・販売しているVanMoofが、Appleとの連携の経緯についてiClutureに語っています。
「探す」に対応した初の電動自転車
Appleは、これまではiPhone、Mac、AirPodsなどApple製品だけが対応していた「探す」ネットワークをサードパーティー製品に開放することを発表しました。
最初の対応製品として発表されたのは、VanMoofの電動自転車、Belkinのワイヤレスイヤホン、Chipoloの紛失防止タグの3製品です。
「探す」ネットワークに対応した経緯について、VanMoofのプロダクトデザイン責任者ジョブ・ステーマン氏へのインタビューをオランダメディアのiCultureが掲載しています。
きっかけはWWDC
AppleとVanMoofの連携が始まったのは、Appleが2020年6月の世界開発者会議(WWDC 2020)で「探す」ネットワークをサードパーティーに開放すると発表した際、VanMoofのエンジニアがAppleの開発者フォーラムに関心があると投稿したのが始まりだそうです。
当時、Appleは「探す」ネットワーク対応製品の開発に関心を持つパートナーを探していた模様で、両社は毎週月曜日にリモートミーティングを重ねながら開発を進めていったそうです。
VanMoofはテスト用に多くのプロトタイプをAppleに送ったほか、VanMoofのサンフランシスコのオフィスから、Appleのエンジニアの自宅に電動自転車を送ることもあったそうです。
開始から完成まで約9カ月
ステーマン氏は、開発のうえで困難もあったものの、Appleから過度なプレッシャーがかかるようなことはなかったと振り返っています。
「探す」ネットワークへの対応は、追加のチップを搭載することはなく、完全にソフトウェアの機能として実現しているそうです。
両社による開発は、ソフトウェアの修正が完了するまでに、約9カ月の時間が必要でした。
4月7日以降に購入する「S3」「X3」が対応
2021年4月7日以降に販売されるVanMoofの「S3」「X3」の両モデルが「探す」ネットワークに対応しており、ユーザーのプライバシーを保護しながらiPhoneやMacのマップ上で位置情報を確認できるほか、紛失時には、iPhoneを持つ発見者にメッセージを表示することもできます。
VanMoofは、「探す」の設定をする様子を動画で紹介しています。
Appleが現地時間4月20日に開催するスペシャルイベントでは、Appleによる紛失防止タグ「AirTags」が発表されるのではないかと噂されています。