Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)がニューヨークタイムズ紙に対して「iPhoneで選挙の投票を」とのアイディアを語ったことに関して、オハイオ州の州務長官は「馬鹿げたアイディア」だとの意見を表明しています。
技術的に困難
先日、Appleのティム・クックCEOは投票をより簡単に、便利にするためにiPhoneが活用できる可能性を示唆しました。しかしこのアイディアをオハイオ州の州務長官であり、同州の選挙の最高責任者であるフランク・ラロース氏は「馬鹿げたアイディア」と評しています。
同氏によると現在の技術では投票の確実性を確保することは困難であり、現時点でiPhoneをはじめとしたスマートフォンを選挙の投票に利用することに積極的に反対するとの意見を表明しています。また同氏は技術的な問題は将来解決される可能性は否定できないものの、問題は人々が想像するより複雑だとも述べています。
例えば、iPhoneから投じられた票が本当にiPhoneの所有者によるものなのかを確認することは困難であり、また所有者の認証と同時に投票の秘密を確保することは非常に難しい問題であるとしています。さらに選挙の事務手続き上、票を監査するために紙に出力する必要もあり、iPhoneで投票というアイディアは馬鹿げたものだと断じています。
アメリカでは昨年の大統領選挙で大混乱に陥ってしまった経験から、最新のテクノロジーを選挙に活かすことへの関心が高まっています。しかしこれは一般市民が考えているより、技術的なハードルが高いことなのかもしれません。