本記事はヴィームソフトウェアが提供する「Veeamブログ」に掲載された「バックアップデータ101 バックアップ環境のバックアップ」を再編集したものです。
Veeam Softwareの高橋です。
今回は、お問い合わせが多い、バックアップサーバのバックアップについてご説明します。
バックアップインフラストラクチャの保全には、以下の2つがあります。
・バックアップ環境の保全 ・バックアップデータの保全
今回は「バックアップ環境の保全」についてお話しします。「バックアップデータの保全」は次回のブログでお話しさせていただきます。
バックアップ環境の保全
「バックアップ環境、たとえば、バックアップサーバやプロキシのバックアップを取っておく方法を教えてください。」
これは、私がよく質問されることです。
Veeam Backup & Replicationは、デフォルト毎日10時にデフォルトレポジトリに構成情報をバックアップしているので、その構成情報をオフラインに保存しておけば、バックアップサーバやプロキシのバックアップは不要です。さらに言うとバックアップは意味をなしません。なぜなら、リストアはどのようなリストアをしたとしても最後にその構成情報を必ずリストアする必要があるからです。
恐らくですが、バックアップサーバの議論は、以前の一般的なバックアップソフトではバックアップサーバ自身にもデータがあることがあり、自身もリストア対象であったことに起因します。当時のバックアップソフトウェアは、自身のバックアップ、リストアを考慮されている設計がなされていました。
しかし、現代のバックアップソフトウェアの多くは、仮想マシン環境、つまり自身以外をバックアップすることを対象としているので、このような考慮が不要になり、もう少し簡単になっています。
Veeam Backup & Replicationは、構成情報をバックアップすることで、あとで、リストアや移設をすることができます。注意点は以下の2つ。
1.暗号化の設定をしておく
暗号化の設定をしておかないとパスワードクレデンシャルが保存対象の除外になってしまい、リストア時にパスワードマネージャーにすべてのクレデンシャルを再登録する必要があります。
2.構成情報のオフラインバックアップ
デフォルトですと構成情報はデフォルトレポジトリに保存されますが、多くの場合がバックアップサーバ自身です。保存先のレポジトリを別のサーバにしておくか、ファイルコピージョブで定期的に別のサーバに転送しておくことをお勧めしておきます。
どうしても、バックアップサーバのバックアップを行いたい場合は、以下を行います。定期実行ジョブである必要ではなく、OS自体の構成変更 (Windows Updateをした場合など)以外は全く必要ありません。
- バックアップサーバが仮想マシンの場合
仮想マシンの場合は、その仮想マシンを一度、シャットダウンをして、ovaでエクスポートをするか、クローンで複製を作成して保存をしておきます。それだけで問題ありません。
- バックアップサーバ物理マシンの場合
Veeam Backup & Replicationでバックアップサーバ自身のバックアップはロックがかかり、ジョブが失敗する可能性があるためお勧めしません。
もし、バックアップサーバのバックアップを行った場合は、Veeam Backup & ReplicationのデータベースのVSS保護が除外されますので、ご注意ください。
結論としては、Veeam Agentをスタンドアローンでインストールして、バックアップサーバのバックアップを行います。
要するに他のバックアップ環境でバックアップを行います。レプリケーションも同等に別のバックアップサーバからレプリケーションを行うことでバックアップサーバのレプリケーションが可能です。
また、同梱されている、あるいは利用しているSQLサーバのバックアップは一切不要です。
さらに一番重要は、どのようなバックアップを取ったとしても「構成情報のバックアップ」は絶対に必要な点です。
リストア
リストアは、バックアップコンソールを開き、構成情報をリストアしてください。