日本電気(NEC)は3月19日、那覇市国際通りにおいて、既設のカメラ映像から歩行者の年齢・性別などの属性データを推定する人物像分析システムを用いた人流解析の実証実験を、2020年12月から2021年1月にかけて実施したことを発表した。
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実証実験では、那覇市国際通りに設置されたカメラ(1か所)の映像内から、精密な分析が可能な人物像分析システム「FieldAnalyst for Gate」を用いて分析することで、歩行者を判別して年齢・性別を推定した。
また、那覇市国際通りを対象に、広範囲のエリアの分析が可能なWi-Fiパケットセンシングデータを活用し、無料Wi-Fiにアクセスするための専用スマホアプリへのアクセスログから、アクセスした人物の年齢・性別を推定した。
この性質の違う2種類のデータを組み合わせ、お互いを補完することで、広範囲に高精度な推定が可能になる拡大推計にも取り組んだという。
その結果、国際通り約1kmにおいて、年齢、性別ごとの歩行者数を平日・休日別に推計できたという。歩行者数および属性を広範囲かつ正確に低コストで推計するモニタリング技術は、地域振興やデジタルマーケティング、防災計画等への活用が期待できるとしている。
なお、歩行者の推定データ取得に使用するカメラの映像は推定データの生成後に即時破棄し、歩行者個人を特定可能な情報は保存せず、統計情報である推定データのみを保存することで、プライバシーに配慮した仕組みを実現しているということだ。
NECは、この実証実験で取得し、分析・可視化した混雑度データは那覇市へ提供するとし、同データをインタフェース変換して国土交通省が推進する3D都市空間情報プラットフォーム「Project “PLATEAU"」の3D都市モデル実証環境へ提供することで、全体最適・市民参加型・機動的なまちづくりの実現を目指すとしている。