アップルは失せ物追跡タグAirTags(仮)を準備中であり、3月のスペシャルイベントで発表との予想が有力となっています。そんななか開発者向けのiOS/iPadOS 14.5ベータ3に、AirTags他の追跡タグによるストーカー行為を防止するためと思しき「アイテムの安全性機能」が追加されたことが明らかになりました。
最新のiOS 14.5ベータ3では「探す」アプリ内にて「持ち物」タブが有効になっています。ここで紐付けられた忘れ物防止タグやサードパーティ製アクセサリは、iPhoneやiPad上で追跡して現在位置が分かるしくみです。
そして新たに「アイテムの安全性機能」を発見したのは、米9to5Macのライターでアプリ開発者のベンジャミン・メイヨー氏です。この機能をオンにすると、iPhoneが他人のAirTagsなど「探す」対応トラッカーを検出して通知し、ユーザーの場所が知らされるのを防止できるとのことです。またオフにしようとすると「探す」アプリが「不明なアイテムの所有者があなたの場所を見ることができる」と警告すると伝えられています。
これにつきメイヨー氏は、アップルがAirTagsによる「ストーキング」行為を防ぐ狙いだと推測。もしも誰かがユーザー本人の持ち物にタグを忍ばせておいても、本人はiPhoneから警告されて気づける安全対策というわけです。これに先立ち、iOS 14.3ベータ1内から「このアイテムのためあなたが危険に晒されていると感じた場合は、地元の法執行機関に連絡して下さい」とのメッセージが見つかったこともあり、妥当な解釈と思われます。
しかし、たとえばiPhoneを持つ犯人が誰かのバッグや自転車を盗んだとき、本来の持ち主に居場所が分かると知らされることにもなるはず。とはいえ追跡タグが出す信号をオフにできるわけではないので、その場に捨てて逃げることも想定の範囲内かもしれません(バッテリを外せるとの手がかりもありましたが)。
そうした諸々がAirTags発表は間近に迫っていると予感させますが、果たしていつなのか。BloombergのMark Gurman記者が「16日ではない」とコメントしたことから、3月のそれ以外の日にちになると予想する向きもあります。これまでの前例から23日や30日(アップルがイベント開催を好む火曜日)が有力視されていますが、続報が入りしだい弊誌でもお伝えする予定です。