PCを使っていると、誰でもどこかの時点で、何が原因でPCの速度が遅くなってきたのかと疑問に思うようになります。
速度の遅いPCで仕事をするのは気分が良くありませんし、生産性も低くなります。
どんなPCも経年劣化で速度が遅くなるものですが、意外とユーザー自身がPCの動作を不必要に遅くするような行為をしています。
今回の記事では、Windows PCの速度を遅くしてしまうやりがちな行為と、そうした間違った習慣を改める方法について説明します。
1. 同時に多くのプログラムを実行する
長期間PCを使用しているうちに、たくさんのデスクトッププログラムをインストールしているのではないでしょうか。
機能が異なるさまざまなツールを使用したり、何年も前にアプリを山ほどインストールしたことをすっかり忘れているかもしれません。
あまりに多くのアプリをいつも同時に実行していると、PCの速度が遅くなる可能性があります。
詳しくは、ソフトウェアをインストールするとPCの速度が遅くなる理由(英文)について深堀した過去記事をチェックしてみてください。
最大の問題は、バックグラウンドで自動的に実行されるように設定されているプログラムがあることです。こうしたプログラムは、たとえ使用したことがなくてもRAMを使ってしまっています。
これを防ぐには、新しいアプリをインストールするときに気をつけることです。「PCの起動時に○○(アプリ名)を自動的に実行する」といったチェックボックスが表示されたら、必ずオフにしてください。
画面の右下隅にある「システムトレイ」を見ると、バックグラウンドで何が実行されているかわかります。
バックグラウンドで実行されている多くのプログラムのアイコンが表示されます。矢印をクリックすれば完全なリストが表示されることもあります。
ほとんどの場合、アイコンを右クリックして「終了」を選択するとアプリを閉じることができます。
ここに表示されているものを見て、PCの起動時にすぐに必要としないプログラムを無効にしましょう。
何を削除すればいいかよくわからない場合は、起動時間を遅くする一般的なスタートアッププログラムに関する過去記事を参考にしてください。
2. 定期的に再起動しない
「問題が発生したときはPCを再起動する」は昔からよく聞くアドバイスですが、特に問題が起こっていなくても、定期的に再起動することが大切です。
PCの電源を切りたくない人の気持ちもわかります。PCの電源をオンのままにしておけば、次に仕事を始めるときは、前のところからすぐに再開できますから。
しかし、この習慣は良くありません。Windows PCの実行速度が遅くなる可能性があるからです。
パフォーマンスの観点から、再起動した方が良い理由は、再起動するとRAMのデータが消えるからです。
RAMのメモリーは揮発性メモリーなので、再起動するたびに新しくなります。実行しているプログラムにメモリーリークがある場合(つまり、ソフトウェアがRAMを使用して、使用可能なメモリープールに戻さない場合)、再起動すると一時的に修正されます。
Windowsは、再起動時にパフォーマンスの問題を修正できるシステムパッチもインストールします。
もちろん、Windows 10は最終的に、更新を適用するために再起動をユーザーに強制しようとしますが、長期間再起動しないと、PCに最新のセキュリティ修正やパフォーマンス上の利点を得られない状態で使用することになります。
ほとんどの場合、再起動は、毎晩する必要はなく、週に2、3回を目指しましょう。あと、PCをスリープ状態や休止状態にすれば、前にしていたことをすぐに再開できます。
3.考えずにクリックする
次回PCの動きが遅いことに気づいたら、オンラインをクリックするときどの程度気をつけているか考えてみましょう。
残念ながら、多くのWebサイトは有害なコンテンツの地雷原みたいなものです。偽のダウンロードボタン、怪しげなサイトにつながる巨大広告、その他のあらゆる種類の変なことは、PCに問題を引き起こす可能性があります。
まっとうなダウンロードでさえ、必ずしも安全とは限りません。
以前よりマシにはなりましたが、多くの無料プログラムは、事前に選択されたチェックボックスを使用して、サードパーティのジャンクなソフトウェアを押し付けてきます。
よく考えずに「次へ」をクリックすると、有益なアプリを2、3個インストールするだけで、システムに余分なゴミが発生するかもしれません。
最悪の場合、マルウェアがシステムに侵入する可能性さえあります。スパイウェアなどをインストールする悪意のあるメールに添付されているファイルを開くと、ウィルス感染にさらされるリスクがあり、PCも遅くなります。
ここでの教訓は、何かクリックするときは、よく考えてからにすることです。少し時間をかけて、非表示のチェックボックスを見逃していないか、危険なものをクリックしようとしていないか、確認してください。
PCの速度が遅くなるのを防ぐだけでなく、システムにゴミが発生することも防げます。
4. PCのメンテを怠っている
Windows 10は、自力でいくつかのメンテナンスタスクを実行する点で、これまでにないほど優れています。
しかし、完璧ではないので、ユーザーがたまには基本的な調整をいくつか行う必要があります。これをするかしないかで、ラップトップは、速度が遅くなるか、最高のパフォーマンスで動作するかの違いが出ます。
PCの速度に関係するルーティンをいくつか取り上げて、それぞれの要点を見ていきましょう。どれも、もっと頻繁に実行すべきWindowsのメンテナンスタスクのごく一部です。
改善策 ①:一時ファイルを消去する
システムが機能すると、ごく短時間だけ必要なファイル(一時ファイル)が作成されます。
PCのオペレーションとしては普通のことですが、こうした一時ファイルをしばらく放っておいて溜めてしまうとPCの速度が低下し始めるかもしれません。すぐいっぱいになる小さなSSDを使用している場合は、特にそうなります。
「設定」→「システム」→「ストレージ」と進み、「ストレージセンサー」をオンにしましょう。「ストレージセンサー」は、ストレージのスペースを自動的に解放するのを助けるWindows10の機能です。
その他のオプションについては、スタートメニューで「ディスククリーンアップ」を検索してください。
改善策②:メンテナンススキャンを実行する
ウィルス対策ソフトがスケジュールに沿ってスキャンするように設定されているかもしれませんが、セカンドオピニオンとして専用のマルウェア対策アプリでスキャンすることをお勧めします。
無料版はオンデマンドでしかスキャンしないため、この場合、Malwarebytesが最適な選択です。数週間後にPCが遅くなっていることに気づくより、スキャンでマルウェアを検出する方がずっといいですよね。
これとは別に、Windowsにはメンテナンスのために実行できる別のスキャンがいくつかありますが、こちらは頻繁に実行する必要はありません。「chkdsk」や「sfc」もこうしたスキャンの1つです。
「chkdsk (check disk command)」は、ハードドライブをスキャンして、PCの動作を狂わせる可能性がある不良セクターを探します。
マシンにSSDがある場合、「chkdsk」を使うのはあまり適切ではありませんが、PCの速度が突然遅くなったことに気づき、PCがまだ古いHDDを使っている場合は、試してみる価値があります。
「sfc(system file checker)」も同じようなコマンドで、Windowsシステムファイルをスキャンして、破損しているファイルの修復を試みます。
普通は、何らかの問題のトラブルシューティングを行うときに、こうしたコマンドを実行しますが、月に1回ぐらい実行すると、問題を悪化する前に見つけやすくなります。
改善策③:Windowsの更新プログラムをインストールする
PCを再起動してWindowsの更新をインストールすることについては前述しましたが、「設定」→「更新とセキュリティ」→「Windows Update」と進み、更新を手動で確認すると、更新が滞ることがないので、お勧めです。
また、時間を取って、いつも使っているソフトウェアが最新であることを確認しましょう。最新バージョンを使用すると、以前のビルドにはなかった速度の改善が導入されるかもしれません。
5. ネット接続が遅いのにPCが遅いと誤解する
実際にはインターネット接続に問題があるのに、PCが遅いと誤解してしまうことがよくあります。
Webサイトにアクセスしたり、音楽をストリーミングしたり、その他のネットワークに依存するアクティビティを実行するときに、速度の問題だけが発生する場合は、インターネット接続に問題があるかもしれません。
これは、完璧に機能する超高速のPCにも発生する可能性があります。自宅のネットワークの速度を低下させる可能性のある問題に関するガイドを読んで、何が問題なのか把握しましょう。
PCの速度を遅くしないように使用する習慣を身につける
ユーザーが犯しがちなPCの速度を遅くする可能性がある行為を見てきましたが、このうちのどれかをやってしまっているなら、ここでご紹介したアドバイスに従って改めましょう。
どんなPCも最終的には速度が遅くなり、交換が必要になります。しかし、そのときが来るまでは、ここでご紹介したヒントやさらに高度なアドバイスを取り入れて、PCの速度を確保しましょう。