オンラインマッチングアプリの2020年の驚異的成長が、先週の華々しいBumble(バンブル)のIPOを生み出した後、新たなプレイヤーがマッチングアプリのリングに上がった。
Kimberly Kaplan(キンバリー・カプラン)氏が立ち上げたSnack(スナック)は、TikTokの人気とスタイルにマッチングの世界を融合させたアプリだ。Kaplan氏はマッチングアプリのPlenty of Fish(PoF、プレンティー・オブ・フィッシュ)出身で最初期メンバーの1人だった。同氏はプロダクト、マーケティング、営業の責任者として経営チームの一員を務め、PoFは2015年に5億7500万ドル(約603億4000万円)でMatch Groupに売却された。
カプラン氏は、マッチングアプリを使っているユーザーの中でも、特に人気のZ世代がとるある行動に目をつけた。彼らはBumbleやTinder(ティンダー)で相手を見つけると、プレッシャーがかかるマッチングアプリのダイレクトメッセージではなく、すぐにSnap(スナップ)やInstagram(インスタグラム)に場所を移し、お互いの発言を読み、カジュアルにいちゃついている。
同じ頃TikTokの人気が爆発し、平均的消費者の行動が、ウェブ上で短編ビデオを作る方向へとシフトし始めた。
Snackは動画ファーストのマッチングアプリで、ユーザーは動画を作ってフィードに投稿するよう促される。ユーザーは他のユーザーのプロフィールを(Tinderのように)右や左にスワイプするのではなく、フィードを(Instagramのように)スクロールして、気に入ったビデオがあったら開いてコメントすることができる。2人のユーザーがお互いの動画を気に入れば、DMが使えるようになる。
アプリはまだ初期段階なので、位置のフィルタリングはなく、アプリに登録しても見るべきビデオフィードがあるとは限らない。SlackはTikTokのようなビデオ編集機能を開発中で、ユーザーが自分のプロファイルを超クリエイティブにできるようにする、とカプラン氏は語る。
これまでにSnackは350万ドル(約3億7000万円)の資金を調達済みで、Kindred VenturesとCoelius Capitalが投資ラウンドをリードし、Golden Venutures、Garage Capital、Panche VenturesおよびN49Pも参加した。
収益化はまだ先になるが、マッチング分野での経験はSnackで収益を上げるために活きるはずであり、他のマッチングアプリと同じく、プレミアムサブスクリプションや場合によっては広告を導入する計画だとカプラン氏は話した。
Snackには現在10名が働いており、チームの多様性は60%で、40%が視覚弱者だとカプラン氏は語った。
「最大の課題は、巨額の資金をもつビッグプレイヤーに立ち向かうことです」とカプラン氏はいう。「始めることが大変で、その最初の足場を固めることがまた大変です。基本的に私は自分たちのプロダクトを信じ、市場はオープンなコミュニティだと考えています。誰かがやってきてTinderの座を奪い、そこには動画が絡んでくるはずだと私は強く信じています」。