iPhoneのAシリーズチップなどで知られるTSMCが、日本国内に初の開発拠点を茨城県つくば市に設置する、と日本経済新聞が伝えています。生産ラインの設置も検討されている模様です。
つくば市に開発拠点を設置へ
TSMCは、半導体受託生産で世界最大のシェアを誇る台湾企業で、多くの企業向けに半導体製品を供給しています。iPhoneに搭載されるAシリーズプロセッサも、TSMCが独占受注しているとみられます。
報道によると、TSMCが計画を進める日本の開発拠点は、茨城県つくば市に設置予定で、新会社を設立する計画で、投資額は200億円と見込まれており、今週中にも発表されるとのことです。
アメリカにも工場設置を準備中
新拠点では、半導体の生産工程の後半にあたるパッケージ(封止)作業に関連した開発が行われるほか、生産ラインの設置も検討されている、とのことです。
TSMCは、同社として海外初進出となる半導体工場をアメリカに建設する準備を進めており、アメリカ、日本の両国と連携を強化して中国に対抗する計画とされています。
TSMCは、2021年には3ナノメートル(nm)プロセスルールでのチップ生産を2021年に開始、2022年には本格生産に移ると伝えられているほか、IntelがTSMCに生産を委託するとの報道もあります。
Appleから厚い信頼を得るTSMC
Appleは、リスク管理とコスト引き下げのために、主要部品のサプライヤーを複数社に分散させる方針をとることで知られています。
しかし、Appleの屋台骨を支えるiPhoneの心臓部、Aシリーズプロセッサは近年、TSMCが独占受注しているとみられ、同社の技術力がAppleから厚い信頼を得ているといえます。