もはや「イヤホンは顔の一部」ですね。
Samsungから、ハイエンドのワイヤレスイヤホンが登場です! Appleやソニー製品に勝るとも劣らない最新モデルを、米GizmodoのSam Rutherfield記者がレビューします。
Samsungが前作のワイヤレスイヤホンをリリースしてから、わずか6カ月。「サイクル早っ…」と思いますが、実は最新作のGalaxy Buds Pro、かなりイケてます。クラシックなデザインでありながらアクティブノイズキャンセリング機能(ANC)など、次世代テクノロジーをしっかり搭載。しかも価格は200ドル(約2万800円)! 競合AppleのAirPods Pro(250ドル)の前に立ちはだかる、お手頃価格の最強級ワイヤレスイヤホンになっているんです。
Samsung Galaxy Buds Pro
これは何?: アクティブノイズキャンセリング機能を搭載したSamsungの最新ワイヤレスイヤホン
価格: 200ドル(約2万800円)
好きなところ:
・ パッシブおよびアクティブノイズキャンセリング機能が向上し、快適な軽量設計になっている。
・「周囲の音モード」に自動切換えする音声検出機能つきで、価格も手頃。
好きじゃないところ:
・バッテリー寿命は可もなく不可もなく平均的で、タッチパネルの機能も限定的。
・ネイティブサポートされているデジタルアシスタントはBixbyのみ。
Galaxy Buds+ とGalaxy Buds Liveのいいとこどりしたハイエンドモデル。
Galaxy Buds Proを一言で表すと、Galaxy Buds+とGalaxy Buds Liveのいいとこどり。Galaxy Buds +から受け継いだ柔らかいシリコン製イヤチップが耳にぴったりフィットして、遮音性(パッシブノイズキャンセリング機能)が高く、装着感も快適。比較的軽量なので、ジョギングやエクササイズ時でも、耳から外れてしまう心配もありません。
Galaxy Buds Proには、Galaxy Buds Liveの遺伝子もちゃんと残っています。空気圧の上昇による不快感を排除するための内蔵ベント(通気口)、内側と外側に設置された3つのマイク、そしてアクティブノイズキャンセリング機能(ANC)も搭載。ただ、Proの方が閉鎖的な設計なので、ノイキャン効果が実感しやすいです。私個人の感想としては、現在、近所の工事の音がうるさくてレビュー書くにも煩わしかったのですが、Galaxy Buds Proをつけることでかなり騒音がかき消されています。助かります!
あえて野暮なことを言うなら、ソニーの超優秀な(ただしデカい)WF-1000XM3と比べると、Samsungのノイキャン機能は若干弱め。ただ、かなりいい勝負をしていますし、お値段とサイズを考慮すればSamsung側に軍配が上がると言ってもいいでしょう。コンパクト設計と装着感を実現するためなら、多少ANCパフォーマンスが下がったとしても、そのくらいの妥協は許容範囲内です。
タッチパネルはイマイチ。でもサウンドはキラッキラ!
また、左右のイヤホンにタッチパネルがついているのも、最近のSamsungの傾向。これで再生、一時停止やスキップ、音量調整、またはANCのオンオフといった操作ができます。ただ、タッチパネルにデフォルトできる機能が限られていて、音量調整にするかANCの切り替えにするのか、自分で選んで設定しなければなりません。その両方はできないんです。なので、アプリで設定する際にはかなり頭を悩ませることに。これはちょっと面倒で、私としては常々不満に思っています。
とはいえ、Galaxy Buds Proは単なる従来製品のリミックス版ではありません。Galaxy Buds Liveには左右それぞれ単一のドライバーが使われていましたが、Galaxy Buds Proは両サイドに11mmのウーファーと6.5mmのツイーターを搭載。さらに、高機能のANCおよびパッシブノイズキャンセリングをかけ合わせることで、豊かで繊細なサウンドを実現。もう、ハイハットもシンバルも、キレッキレのキラッキラです。
低音を担当するウーファーは比較的ニュートラルに設定されていて、低音が重すぎないように配慮されています。なので、より重低音をきかせたい場合などは、プリセットのイコライザー(低音ブースト、ソフト、ダイナミック、クリア、および高音ブースト)から好みの音質を選ぶことができます。ちなみに、カスタム設定はできません。
マイクも外側と内側に3つ備えているので、音声品質も非常に優秀。もちろん、ハイエンドの小型マイクと比較することはできませんが、それでもアマチュアの映画製作者の中には簡単便利なGalaxy Buds Proを高価なオーディオ機器の代用として使うこともあるようです。
音声検出機能による「周囲の音モード」で、ノイキャンレベルを自動調整。
Galaxy Buds Proの新機能として外せないのが、音声検出機能です。これをオンにしておくと、たとえばあなたが誰かと会話を始めると、その声を認識。自動でノイキャンレベルを下げて環境音のボリュームを上げてくれるんです。一見地味な機能ですが、これがかなりのヒット。たとえば、音楽聞きながらコンビニに入っても、レジで店員さんに話しかければイヤホンが勝手に音量下げたり、環境音レベルを上げてくれるわけで。いちいちイヤホン外したり自分で音量調節しなくてもいいんです。
こんなことを言うと、「人と話をするときにイヤホンをしたままなんて、けしからん!」なんて大人の人に怒られちゃうかもしれませんが、時は2021年です。今や、コーヒーをオーダーするのにヘッドホンを外さなくとも、店員さんときちんと丁寧に応対できていれば、ほとんどの人に理解してもらえることでしょう。これこそ、高性能の音声検出機能と「周囲の音モード」を搭載したGalaxy Buds Proだからこそ実現可能な新しい様式かも。
現在、「周囲の音」機能は5秒、10秒、または15秒刻みの自動アクティブ化設定が可能。まあ、簡単な会話をする分には十分な長さなのですが、会話の相手がおしゃべり好きだったり、話が長かったりすると、話の途中で機能がオフになってしまうことも。
というのも、Samsungいわく、イヤホン側はあくまで装着しているユーザーの声をもとに「会話であるかどうか」を判断しているわけで、周囲の音から「重要な音」を選別しているわけではないということです。あなた自身が黙ったままだと、会話相手の声も単なる「雑踏」と同じ扱いにされてしまうわけですね。
さらに複数のデバイスでオーディオを頻繁にジャグリングする方に便利なのが、オートスイッチ機能。外出中はスマホで音楽聞いて、帰宅後はタブレットで映画見て…その最中にスマホで通話して…という場合など、必要に応じてSamsungのスマホやタブレット、そしてWindows 10のPC間をシームレスに行ったり来たりできるんです。私が試したところ、確かに自動で継ぎ目なくスイッチングしてくれました。ただ、5回のうち1回は拒否されてしまいましたが…。バッテリー寿命は微妙。でもAirPods Proより長い!
そんなわけで非の打ちどころがない…といいたいGalaxy Buds Proの唯一にして最大の欠点をあえてあげるなら、バッテリー寿命です。Samsungによると、Galaxy Buds ProはANCをオンにした状態で5時間、ANCをオフにしておくと約8時間連続駆動可能だとか。これは、可もなく不可もなく、という感じ。たまにANCをアクティブにした状態で「5時間20分もった!」ということもありましたが、それでも仕事や学校で1日外出する日は、やっぱり心もとないですよ。休憩時間にうまいこと充電できればいいですけどね。
ただ、充電ケースで5分間休ませれば、30分間再生するくらいのエネルギーは補充できるのはありがたいです。ちなみに、AppleのAirPods Proは、ANCを有効にした状態での駆動時間は4時間半だと申し添えておきます。
ソニーのWF-1000XM3やApple AirPods Proといった競合たちと比較してみると、Galaxy Buds Proの真価が際立ちます。優れたオーディオ品質、軽くて快適な着け心地、そしてバッテリー寿命も世に絶賛されるApple製品と比べて、わずかですが優れています。SamsungのANCは、ソニーやAppleに多少劣るとしても、その差に気づく人はほとんどいないでしょう。また、イヤホンとの暮らしを快適にする新機能として、Galaxy Buds Proの音声検出機能はかなりいいです。