ITライター・山口真弘の気になるグッズラボ
Wi-Fiの電波が弱くてつながりにくい? 速度が遅い? だったら中継機で解決だ!~バッファロー「WEX-733DHP」レビュー
Wi-Fiの電波がなかなかつながらない、つながっても速度が遅い場合の解決策としては、Wi-Fiルーターの位置を移動させたり、出力が大きなモデルに買い替えるなどの方法が考えられます。もっとも、すでに設置済の機材にはなるべく手を付けたくない場合も多いでしょう。
こうした場合に考えられる選択肢のひとつが、Wi-Fiの中継機を増設することです。これがあれば、距離が離れた部屋まで、電波を増幅して飛ばすことができますので、電波がつながりやすくなり、また速度も改善することが期待できます。
今回は、そうしたWi-Fi中継機のひとつ、バッファローの「WEX-733DHP」を紹介します。
本製品は、Wi-Fiの電波を拾い、その電波を増幅して飛ばすことができます。電波を届かせたいエリアとの中間に設置することで、これまで微弱だった電波が途中で増幅され、通信が行えるようになります。
こうした中継機を選ぶ際のポイントはいくつかあります。ひとつは本体の形状です。中継機の多くは、壁面のコンセントに直挿しする仕様になっています。廊下に余っているコンセントに差し込むだけで、わざわざ置き場所を用意することなく、設置が完了するというわけです。
一方で、必ずしもこうしたコンセントが存在していない場合は、一般的なWi-Fiルーターと同じような据置デザインのほうが、設置が容易です。電波がキャッチしにくく、コンセントから離れた天井付近に設置したいという場合も、そうした形状のモデルを選んだほうがよいでしょう。
もうひとつは規格です。Wi-Fiの電波を拾って増幅するといっても、その規格に対応していなければ、拾いようがありません。今回の製品はWi-Fiの11acまで対応していますので、最新の11axにこそ対応しないものの、11acとそれ以前の規格、具体的には11a/b/g/nに対して、オールマイティーに利用できます。
セットアップの手順は、まず既存のWi-Fiに接続したのち、対象となるSSIDを選択します。あとは電波を届かせたいエリアとの中間地点にに設置するだけです。電波を受信できていることを示すLEDがきちんと点灯しているかを確認し、問題なければ設置完了となります。
ところでこうした中継機は、いざ導入しても、その効果を確かめにくいのがネックです。なにせ同じSSIDを使っているので、あまり効果がないと思っていたら、実は以前と同じアクセスポイントに接続していた、というオチもあり得ます。
本製品の場合、強制的に本製品経由で通信するための専用SSIDが用意されており、デバイス側でこのSSIDを指定することで、必ず本製品を経由しての通信が行えます。これならば、元のSSIDと、本製品を経由したSSIDとで、どのくらい速度に差があるか、スピードテストなどで個別に測定できるようになるというわけです。
用意されたテスト用SSIDを使うことで、強制的に本製品を経由しての接続が行えます。元のSSIDで接続した場合と本製品経由で接続した場合の差を確認したい場合には最適です
ところで、こうした中継機は、Wi-Fiルーターとメーカーを統一する必要があるのでしょうか。前述の設定時にSSIDを指定していることからも分かるように、基本的にはWi-Fiルーターのメーカーに依存せず利用できます。
なかには例外的に、Wi-Fiルーターが独自のセットアップツールを用意している場合に、うまく自動検出が行えず、手動での設定を強いられることはあるかもしれませんが、基本的にWi-Fiの規格さえきちんと合致していれば、問題なく利用できます。WPSボタンを使えば、ワンタッチでの接続も行えます。
このほかにも、Wi-Fiの電波を改善するには、以前紹介したメッシュWi-Fiへの切り替えなど、さまざまな方法があります。この中継機を利用する方法は、付け焼き刃としての対応ですが、実売価格も2~3千円程度と安いため、ローコストかつ低リスクで試せる方法としておすすめできます。