Razerは2020年12月24日のクリスマスイブに、新しいモバイルノートPC「Razer Book 13」を発表した。インテルの第11世代コア=「Tiger Lake」を搭載したモデルで、一見、従来からあるRazer Blade Stealt 13の派生モデルに見えるが、全く新設計の「爆速マシン」なのである。
Razerデザインのボディに TGLと縦長画面という 最先端仕様である
日本で発売となったRazer Bool 13は2モデルで、CPUはともにi7-1165G7を搭載。メインメモリはオンボードの16GBで、ストレージはM.2で256GBと512GBである。
M.2のSSDはフルサイズで搭載しています
スクリーンはRazer初の「16対10比率」の縦長デザインで、フルHD+ (1920×1200ドット)と4K+ (3840×2400)の2種類がある。ともにGorillaガラス6にタッチスクリーンを搭載して、反射防止コーティングとなっている。つまり、2モデルの違いはSSDの容量とスクリーンの解像度のみということになる。直販価格は税込みで20万9800円と25万9800円で1月29日発売である。
インターフェイスはHDMI2.0bにUSB3.1のタイプA×1、マイクロSDスロットに、ヘッドセット端子、Thunderbolt4のUSBタイプC×2で、電源、Power Delivery、DisplayPort出力機能付きだ。
タイプCは電源入力にも使われるので、実質C×1にA×1ですが、HDMIがあるのは良心的です
ネットワーク機能はWi-Fi6とBluetooth5.1で、WWANは選択できない。スピーカーは2台で、Razerの他機種と同様にTHX Spatial Audioを搭載している。
キーボードは日本語レイアウトのみで、バックライトはRazer Chroma対応で1キー単位でフルカラーの指定ができる。Stealth 13では全キー単位なので、上位機種の機能なのだ。
JIS配列だが、かな表記はないスッキリしたデザイン。右寄りの日本語関連キーはちょっと幅寄せされていますね
キーボードのストロークや、パッドのクリック感はゲーミングで鍛えられたもので、もはや快感です
ディスプレイ上部に内蔵しているカメラはHD720pでWindows Helloによる顔認証が可能。ボディサイズは295.6×198.5×15.15ミリで、重量は両モデルともに1.4キロとなっている。
モノリスデザインに ベイパーチャンバー採用で Tiger Lakeノートでは最高速なのである
手にした印象は、これまでのRazerと同様、フラット&シャープなデザインでまさにモノリスだが、ボディカラーは「マーキュリーホワイト」のみという設定である。ホワイトといっても白ではなくシルバーで、天板のロゴも濃いグレーで光らない。アルミブロックから切削したしっかりしたフレームで、たわみやねじれは全く生じない頑丈なボディーである。
おじさん的には黒がほしいところですが、ソリッド感と角のシャープさはシルバーのほうが高まりますRazerが初めて採用した13.4インチの16対10比率ディスプレイは、超狭額縁で無駄がない。実画面は実測で288×180ミリあり、今回は4K+モデルを試用したが、広大できもちがいい。
16対9の13.3インチを搭載したStealth 13はボディサイズが304.6×201×15.3ミリなので、Book 13は横幅が9ミリも短くなり、奥行きも2.5ミリダイエットできている。
冷却機構はRazer Blade 15やBlade Pro 17といった最上位のHプロセッサー+RTX2000シリーズ搭載モデルと同じ「ベイパーチャンバー」を採用している。金属でできたヒートパイプとは異なり、容器の中を流体が回航するもので、熱交換の効率がいいのが特徴である。GeForceを搭載しているスリムノートのRazer Stealth 13では通常のヒートパイプなので、それより上の機構を搭載しているわけだ。
簡単にベンチマークテストを実施してみたところ、CinebenchのR15、R20、R23の結果は、なんと996、2393、6230という、Tiger Lake搭載ノートで最高速度を記録した。
3DMarkも、TimeSpyが1776、FireStrikeが5243、WildLifeが12529と、こちらも外部GPUを搭載していないTiger Lakeマシンで最高速である。GTX1650Tiを搭載したStealth13では、もちろんそれぞれ3521、8018、21159とダブルスコアに近い速度が出る。
SSDの速度はCrystalDiskmark7でマルチシーケンシャルのリードが3561、ライトも2982と、こちらも最高クラスの速度だ。
バッテリーの持ちは最高輝度、「最も高いパフォーマンス」、Synapseのパフォーマンスモードは「バランス」で4時間40分稼働した。内蔵バッテリーは55Whで、Stealth13の53Whと変わらないが、40分も長く持った。この条件で5時間近く持てば、モバイルノートとして十分実用的である。
チャージのほうは、同条件で50%まで43分、70%まで66分、90%まで98分と、こちらもStealth13の35、51、59分より遅いが、Stealthのほうは100W出力、Book13は65W出力の差である。Book 13に付属のACアダプターは小型軽量なので、持ち歩きも気にならないだろう。