クアルコムはスマートフォン向け次期ハイエンドSoC「Snapdragon 888」のベンチマークを海外メディア向けに開示しました。その数値が、iPhone 12シリーズに搭載されたA14チップに及んでいないと報じられています。
海外テックメディアAnandTechはクアルコムのベンチマークとアップル製品のベンチマークを比較。そのうちGeekbench 5とGFXBenchではiPhone 12モデルのA14チップが上回る結果となっています。
まずGeekbench 5ではSnapdragon 888のシングルコアスコアは1135、マルチコアスコアは3794。それに対してiPhone 12 Proのシングルコアスコアは1603、マルチコアスコアは4187です。ちなみにiPhone 11 Pro(A13チップ搭載)1331および3366ということで、シングルコアではSnapdragon 888に優っているかっこうです。
またグラフィック性能を計測するGFXBenchでは、iPhone 12 Proの102.24(単位は1秒間のフレーム数)に対してSnapdragon 888は86とのことです。
ただしAnandTechはこれはピークパフォーマンス性能(最大限の電力供給ができている状態での性能)にすぎず、持続的なパフォーマンスはまだ不明だと指摘しています。すなわちSnapdragon 888の省電力性能が優れ、ピーク性能が維持できれば、最終的にはA14を上回る可能性があるというわけです。
アップルのA14やA13と比べれば旗色が良くないSnapdragon 888ですが、現在のハイエンドAndroid端末に搭載された前世代チップよりも大幅に改善されている模様です。クアルコムが公称したCPU性能が25%向上、CPU性能は35%向上している事実は、ベンチマーク結果にも見て取れます。
AnandTechは、これらベンチマークがクアルコムによって提供されたもので、実機で検証されたわけではないとの但し書きを付けています。ともあれ、この数値が正確であることを期待して、実際にSnapdragon 888が搭載されたスマートフォン製品の登場を待ちたいところです。