「au」を運営するKDDIは、現在4Gに用いている既存周波数の5G化を開始します。まず12月中旬より、3.5GHz帯を用いた5Gサービスを東名阪エリアで開始します。
KDDIは5G向けの新周波数である3.7GHz帯・4.0GHz帯・28GHz帯に加え、3.5GHz帯を利用した5Gサービスを展開できるようになります。
なお、3.5GHz帯を利用した5Gサービスの利用にはソフトウェアアップデートが必要です。KDDIによると、iPhoneとGalaxyはすでに適合認定が通っており、それほど遠くないうちに利用可能となる見通しです。
既存周波数の今後に関しては、2.1GHz帯・1.7GHz帯・700MHz帯についても5Gに転用予定。転用時には、4Gと5Gで周波数を共用するDSS(ダイナミック・スペクトラム・シェアリング)技術も使い、4Gサービスを維持したまま、5Gサービスを同時に展開します。
なお、既存周波数の5G転用は、通信速度を左右する電波の帯域幅が広がるわけではないため、通信速度の向上は見込めません。そのため、ピクト表示が5Gに変わるだけの『なんちゃって5G』であり『消費者の有利誤認を招く』との指摘もあります。
これについてKDDIは、5G化によって遅延が低減するメリットを挙げているほか、エリアマップでは既存周波数と新規周波数を明確に区別することで、消費者の有利誤認を招かないよう配慮する方針です。
5G向け新周波数を用いたエリア構築に加え、既存周波数を5Gに転用することで、2022年末までにauの5G基地局数は約5万局に到達、au 5Gの人口カバー率は90%に拡大する見通しです。