Googleが、インターネットとメディアの複合企業で、検索ポータルサイト「Ask.com」を手がけるInterActiveCorp(IAC)が配信するブラウザ拡張の一部を「Chromeウェブストアのポリシーに違反している」として削除したと報じられています。
IACは検索ポータルサイトのAsk.comや動画共有サービスのVimeoなど、さまざまなネットサービスを提供する巨大複合企業です。
ウォール・ストリート・ジャーナル(WSJ)によれば、IACがChrome向けに配信している拡張機能が、Chromeウェブストアの配布ページに書かれている機能を搭載しないまま、ユーザーを特定の広告に誘導し、別のアプリや拡張機能をインストールさせようとした疑いがあるとのこと。
また、Googleの監査では、IACが取り扱っていた選挙広告の中には、ユーザーを投票者情報に誘導しなかっただけではなく、Ask.comツールバーをインストールさせ、ユーザーのデフォルトのホームページを変更させるものもあったとのこと。GoogleはIACにこうした広告の配信を停止するように呼びかけましたが、IACは広告配信を続けていたそうです。
WSJは、GoogleがすでにIACが配信する拡張機能の5つを削除したと報じました。実際にChromeで配信されていた、デフォルトの検索プロバイダをAsk.comに設定する拡張機能「Search Extension by Ask」はGoogleウェブストアからは記事作成時点では削除されている模様です。
Googleの広報担当であるスコット・ウェストオーバー氏は、「削除された5つの拡張機能以外でIACが配信しているものについてはレビュー中であり、どういった対応をするかは決定していません」と述べ、IACの拡張機能が具体的にどのポリシーに違反していたのかについても明らかにしませんでした。
一方で、IACの広報担当者であるヴァレリー・コムス氏は「Googleは反競争的です。Googleは当社のブラウザ事業を『インターネットの片隅』に追いやるためにその地位を悪用しました」と主張しています。
なお、Javaのパッケージに同梱されるIACのAsk.comツールバーは、2015年にMicrosoftによってマルウェア認定されています。
2020-12-06 19:51:34