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AWS、SaaS構築のフレームワーク「AWS SaaS Boost」発表 ISVがすぐSaaSを提供可能に

米Amazon Web Servies(AWS)は12月3日(現地時間)、現在開催中のオンラインイベント「AWS re:Invent 2020」の2つ目の基調講演である「Partner Keynote」で、AWS上のSaaS構築を促進する「AWS SaaS Boost」を発表しました。

ソフトウェアベンダーが自社のソフトウェアをSaaSとして提供するには、単にソフトウェアをクラウド上で実行するだけでなく、マルチテナント構成の実現、ユーザー向けポータルの構築、モニタリングシステムやダッシュボードの構築、課金管理、デプロイの自動化など、SaaSとしてのさまざまな周辺機能も用意しなければなりません。

 AWS SaaS Boostは、AWSがこれまで蓄積してきたSaaS構築のノウハウやベストプラクティスが詰め込まれた、SaaSの見本となるフレームワークで、そのまま利用可能な参照環境(Reference Environment)です。

 ソフトウェアベンダーはこの参照環境に自社のWebアプリケーションを組み込むことで、SaaSを簡単に始めることができるようになっています。

 AWS SaaS Boosは「オープンソースソフトウェア」ではなく、すぐ使える(ready-to-use)「オープンソースSaaS参照環境」(Open-Source SaaS reference environment)であると説明されていることから、おそらく単にソースコードが公開されているのではなく、AWS上でほぼ完成され稼働する状態のSaaS環境として提供され、あとは自社ソフトウェアをそこに組み込めば顧客にSaaSとして公開できるようになっている、というものではないかと見られます。

 その上でそのソースコードはオープンソースとして自由にカスタマイズできるようにもなっているのでしょう。

 AWS SaaS Boostの登場は、これからSaaSビジネスに参入しようとする企業にとって、その参入障壁を大いに下げると同時に、本来の差別化要因であるサービスの中身の改善にフォーカスすることを可能にしてくれることが期待されます。

 AWS SaaS Boostは現在プレビュー版としてWebページから申し込みを開始しています。AWSはAWS SaaS Boostを採用するソフトウェアベンダーのあいだでのノウハウの共有なども行っていくとしています。



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