米国時間12月1日、Google(グーグル)は企業におけるモバイルの管理とセキュリティをサポートするAndroid Enterprise Essentialsを披露した(Googleブログ)。その主な対象は、名前に合わず中小企業だ。同社によると、大企業向けのデバイス管理とセキュリティのツールAndroid Enterpriseがあり、その開発経験をベースにして、よりシンプルで料金も安い今回のプロダクトを作り上げたという。
この新しいサービスでユーザーは、社員の画面をロックしたり、企業データを暗号化で保護したりといったモバイルデバイスの基本的な管理を行うことができる。社員が自由にインストールできるアプリは、Google Play Protectサービスを利用してGoogle Play Storeから行うもののみとなる。紛失や盗難に遭ったスマートフォン上の企業データは、すべてリモートで消去できる。
グーグルの説明によると、中小企業は顧客データをモバイルデバイスの上で扱うことが多いが、現在使われているデバイス管理ソリューションは中小企業のオーナーにとって複雑すぎるものが多く、使使用されずに放棄されていることが多いという。
そこでAndroid Enterprise Essentialsは、全員のデバイスをいちいち手作業で立ち上げなくても容易にセットアップができるようにした。セキュリティポリシーはリモートから適用されるため、社員はセットアップなどをしなくてもよい。企業はスマホを個人で購入させず、あらかじめポリシーを設定したAndroidデバイスを社員に渡してもよい。
グーグルによると、主に中小企業を対象としたサービスだが、高度で複雑な管理ソリューションが不要になるため、基本プラスアルファ程度のセキュリティ保護を望む大企業が利用してもよいとのこと。経験を積みサードパーティのベンダーなどの高度なソリューションを利用する前に、とりあえず社員全員のモバイルデバイスの安全を確保したいという段階的な導入でもよい。
ここ数年の間グーグルは、Androidデバイスの職場での利用を促進するためにさまざまな努力を行ってきた。Android for Work(未訳記事)やAndroid Enterprise Recommended(未訳記事)のようなサービス、Play Storeからマルウェアを排除するためのパートナーシップ、リスクの高いユーザーのための高度なデバイス保護、エンドポイント保護のソリューションとなどを開発、提供してきた。
グーグルによると、Android Enterprise Essentialsの初期の展開は、米国ではSynnex、英国ではTech Dataが販売するデバイスに限定される。さらにその後はその他の販売業者にも対応し、2021年の初期にはグローバルな展開になる。2020年1月にはオンラインで立ち上げイベントを行うので、興味ある方はぜひ。