人々はストーリーズがあらゆる所にあることにうんざりしている(Axios記事)が、Googleマップは昔ながらのスタイルを守り続けている。アプリの画面の上部に小さな円を追加する代わりに、Googleマップは独自のニュースフィードを導入する。技術的にはローカルエリアからの投稿が含まれるというもので、グーグルはその新機能を「コミュニティフィード」と呼んでいる(Googleブログ)。しかし、それは他のニュースフィードと同じような仕組みだ。垂直方向にスクロール可能なフィードで、そこに表示される投稿にユーザーは小さな親指のアイコンをタップすることで「いいね!」できる。
このフィードは、Googleマップアプリの「スポット」タブで見つけることができ、信頼できる地元の情報源から最新のニュース、更新情報、おすすめ情報が簡単に見かるように設計されている。これには、ビジネスオーナーがGoogleマイビジネスを使用して作成した投稿が含まれており、新しいお得な情報やメニューの更新、その他のオファーを顧客に通知することができる。これによって飲食店からの投稿が強調されると、グーグルはこの機能の発表時に述べている。
何年も前から、ビジネスオーナーはGoogleのツールを使用してこの種の投稿を作成することができた。しかし、従来はユーザーが更新情報を受け取るためには、その店のプロフィールをタップしてフォローする必要があった。
しかしこの新機能の導入によって、Googleマップのユーザーが一手間かけてわざわざ特定の店をフォローをしなくても、この種の投稿がユーザーの目に付くようになる。この露出の増加は、投稿の閲覧数に影響を与えるとグーグルはいう。一般公開前に行われたコミュニティフィードの先行テストでは、商店の投稿がフィード導入以前の2倍以上も閲覧されることがわかったとのことだ。
商店からの投稿に加え、新しいコミュニティフィードにはフォローしているGoogleユーザー(Googleブログ)が投稿したコンテンツや、Googleローカルガイドの最近のレビューも掲載される。ローカルガイドは、ユーザーが地元の場所に関する知識を共有することで、プロフィールバッジやグーグルの新機能への早期アクセスなどの特典を獲得することができるボランティアプログラムだ。コミュニティフィードには「The Infatuation」などの厳選された出版社や、Google Newsを含むニュースソースも参加し、地域に関連した情報を提供する。
コミュニティフィードで発見される情報の多くは、米国時間12月1日発表されたコミュニティフィードの導入前にも、Googleマップの他の機能で利用することができた。
たとえばGoogleマップの「最新」タブでは、同様のフィードが提供され、ニュース、おすすめ情報、ストーリーなどの発見を促すようにデザインされた機能に、商店からの投稿も含まれていた。一方、「おすすめ」タブでは、業種をテーマ別にグループ化して(たとえば屋外レストン、カクテルバーなど)画面上部に表示し、他のリストを閲覧したり、エリアの写真を表示したりすることができた。
今回のアップデートでは、カテゴリーごとの業種のグループはこれまで同様、画面上部に表示されるが、タブの残りの部分はスクロール可能なフィード専用となる。これによってタブが以前よりも明確な感じを与えるようになった。また、InstagramやSnapchatが真似したTikTokスタイルの短い動画フィードが人気である現状を考えると、この機能を使って将来的にグーグルが動画投稿の事業に乗り出す可能性もある。
しかし、現在のところこのコミュニティフィードは、より標準的なフィード機能だ。下にスクロールしていき、興味を引かれた投稿に「いいね!」をタップすると、それが今後のおすすめ情報の参考になる。また、もっと多くの情報を知りたいと思ったら「フォロー」をタップすれば、「最新」タブに通知が送られてくる。ありがたいことにコメントを付ける機能はない。
グーグルはこの変更により、ユーザーが自分の地域で何が起きているかを知るために、アプリをより頻繁に利用するようになることを期待している。たとえばお店からの新しい投稿や、日帰り旅行や新しいハイキングスポットのような、楽しい地元のアクティビティについて詳しく書かれた他のユーザーによるレビューなどだ。
この機能は、旅行や他の地域を調査する際にも利用できる。コミュニティフィードは自分の住んでいる場所や現在地ではなく、地図上のどこを見ているかに基づいて指定されるからだ。
コミュニティフィードは、GoogleマップがライバルのFacebook(フェイスブック)を超えるためにデザインされた一連のアップデートの最新のものだ。過去数年間にわたり、Googleマップはユーザーが商店をフォローすることができる機能を追加してきた。その多くはフェイスブックが行っているものと同様で、例えばアプリから商店に直接メッセージを送信する機能は、Messengerと同じだ。一方で商店はGoogleマップに独自のプロフィールを設定(未訳記事)することができ、ロゴやカバー写真を追加したり、短い名前を選ぶことができる。これらも現在、フェイスブックのページが提供しているものとよく似ている。
今回のニュースフィードスタイルの新機能導入で、グーグルがフェイスブックをコピーしようとしている企てはさらに明白になった。
グーグルはこの機能をiOSとAndroid用のGoogleマップでグローバルに展開していくという。