11月13日、Western Digital(WD)からPCIe 4.0対応のM.2 SSD「WD_BLACK SN850 NVMe SSD」が発売された。シーケンシャルリードは公称値で7000MB/sとし、PCIe 4.0対応としては最速の部類に属する。
PCIe 4.0対応のM.2 SSDは現在、RyzenシリーズやPlayStation 5(PS5)で搭載可能なことから、かなり注目されており品薄の状態。そんな状態のなか、今回「WD_BLACK SN850」の2TBモデルをお借りできたので、早速その実力をチェックしてみた。
ゲームモードも搭載するリード最大7000MB/sのSSD 「WD_BLACK SN850 NVMe SSD」
WD_BLACK SN850 NVMe SSDは、ゲーミングブランド「WD_BLACK」シリーズの最新モデルで、前モデル「WD_BLACK SN750 NVMe SSD」がPCIe 3.0対応だったものが4.0対応になり、性能も向上。シーケンシャルリードの最大速度は3470MB/sから7000MB/sへ、シーケンシャルライトも最大3000MB/sから最大5300MB/sへと大幅に引き上げられている。
「WD_BLACK SN850 NVMe SSD」は従来同様に片面だけにチップが実装されたタイプ
WD_BLACK SN750では250GBから2TBまで4タイプが用意されていたが、WD_BLACK SN850では、500GB/1TB/2TBの3タイプ。現在はヒートシンクなしのモデルしか販売されていないが、2021年の第1四半期にはヒートシンクありモデルが発売される予定だ。今回のヒートシンクにはRGB LEDが組み込まれており、WDのサイトからダウンロードできる「WD_BLACK Dashboard」アプリで、ライティングの色をカスタマイズ可能になる。それぞれの価格は以下の通りだ。
これだけの性能を引き出したのは、自社製のコントローラーと3D NANDフラッシュメモリーの採用、そして新たなキャッシュ技術によるものだ。SSDコントローラーは「WD BLACK G2」と称しているが、現物を確認してみるとチップ表面には「SanDisk 20-82-10035-A1」と刻印されていた。2015年に買収したサンディスクがチップの開発製造を担当しているのだろう。
また、NANDフラッシュメモリーにも「SanDisk」と刻印されており、他ブランドに頼らず、自社製で固めている。なお、キャッシュとして使われるDRAMは、Micron製の16Gbであった。
新キャッシュ技術によって、低キュー深度での性能が向上し、ゲームロード時間の短縮に加え、その他のアプリケーションもよりスムーズにロードできるとしている。また、従来からあった「ゲームモード」も健在で、省電力機能を無効化することでドライブのピークパフォーマンスを維持することが可能なほか、ランダムアクセス性能の引き上げも実現するという。
公称値通りのリード7000MB/s、ライト5100MB/sを達成 PCIe 3.0世代からの進化は歴然
ここからは、ベンチマークでWD_BLACK SN850 NVMe SSDの2TBモデルと、旧モデルである「WD_BLACK SN700 NVMe SSD」の1TBと比較してみた。本来ならWD_BLACK SN750と比較したかったところだが、手元になかったため今回はその前のモデルと比較している。ただ、性能的にはそれほど大きな差はないため、PCIe 3.0世代と4.0世代の違いは確認できるはずである。
ちなみに、WD_BLACK SN750とWD_BLACK SN700 NVMe SSDとの性能差については、「WD Black SN750 NVMe SSDの実力をチェック」の記事を参照していただきたい。
まずは、「CrystalDiskMark 8.0.0」で読み書き速度をチェックしてみた。設定で「NVMe SSD」を選択し、プロファイルで「デフォルト」と「ピーク性能」の両方を計測している。「WD_BLACK Dashboard」アプリでゲームモードのオン/オフが可能なので、オンの場合とオフの場合、それぞれの状態で計測している。