テレワークあるいは稟議や決裁の電子化とTeams
ビデオ会議サービスとしてのTeamsのアドバンテージ
ZoomやWebex、Skypeなどが、基本的に通話システムであるのに対し、Teamsはあくまでチーム作業のためのサービスであり、その中に、通話機能もある…という点で決定的に違います。
Teamsでは、テキストベースのチャット会議を実現できるBBS(電子掲示板的)な投稿サービスも含んでいます。さらに、Office文書などを投稿することができ、ファイルの共有フォルダーも用意されています。これらを利用すると、テレワークの実現、稟議や決裁の電子化という強力なビジネスツールになります。
テーマごとに簡単にチームやチャネルを作成できる
Teams正規ユーザーの誰もがチームを作成でき、プロジェクトや組織の動きに合わせて軽快に対応できます。オンライン会議もチームごとに整理されます。さらにチーム内にチャネルを作成し、いわばチーム内の分科会を構成できます。
(1)目的に応じてチームを作成。
(2)チーム内には、分科会と言えるチャネルを作成。ただし、チャネル「一般」(General)はチームごとに自動的に作成される。
○チーム活動の履歴
チーム内の動き…会議やファイルの更新、タスク管理などは、すべて会議の中に時系列で履歴として残ります。
業務の振り返りが必要なときに、経緯を確認したいときなど、簡単に過去の流れを把握することができます。議事録や報告書の作成を省略したり、省力化したりできます。
途中からチームに参加したメンバーも状況を把握しやすくなります。
(1) チームの「投稿」ページは、BBS(電子掲示板)的なコミュニケーションツールであると同時に、オンライン会議の開催、各種投稿など時系列でチームの活動がわかる情報が蓄積される。
○組織内電子メール不要
チーム内、組織内の連絡にTeamsの「投稿」を使用することで、いちいちメールを送受信する必要がありません。
チャット感覚の「投稿」の方が、メールよりも気軽に発言できるだけでなく、署名も必要ありませんし、挨拶文も省略しやすくなるので、より必要な情報の密度が高くなります。
気軽に連絡を取り合えることで、情報共有、報連相の確度が高くなるという効果もあります。
チーム内でファイルを送信するときも、Teamsの「投稿」に投稿することで、簡単にファイル共有を実現できます。ファイルをメールに添付して送信すると、しばしば同じファイルの複数のバージョンがメンバー間に存在することになって混乱を招きます。しかし、Teamsでファイルを共有すれば、そうしたバージョンの混乱もありません。
(1)ファイルを「投稿」に投稿。
○ファイル共有
チームの「ファイル」ページでファイルを簡単に共有できます。また、ExcelやWordなどのTeamsが対応しているファイル形式であれば、Officeアプリがインストールされていない環境やスマートフォンでも、閲覧したり簡単な修正を行ったりできます。
また、前述の「投稿」に投稿したファイルも、実体はこの「ファイル」に保存され、チームで共有します。
(1) Teamsのファイル共有フォルダーを開く。
(2)チャネルで共有されているファイル。
○稟議や決裁の電子化
チーム内に稟議や決済用のチャネルを作成し、稟議書などの文書を投稿するだけで、簡単にオンライン稟議、決裁を実現できます。
(1)稟議用のチャネルを作成。
(2)稟議書とメッセージを投稿する。投稿した稟議書はチームの「ファイル」に保存される。稟議書の投稿にコメントしていくことで、チームで、閲覧、承認などの工程を進めることができる。
(3)投稿したファイルの右側にある「…」をクリックして、直接ファイルを開ける。
(4)「すべて折りたたむ」をクリックすると、最新のメッセージを残して投稿を折りたたむ。古いメッセージを隠して、表示をシンプルにできる。
次の画面は古い投稿を折りたたんで表示を簡略化した例です。
(5)「○件の返信」をクリックすると、折りたたんだメッセージを展開して再表示。
Teamsのメリットとデメリット
このように、Teamsは、ビデオ会議にとどまらず、テレワークやソーシャルディスタンス保持といった環境で業務を遂行するためのプラットフォームとして活用できるツールです。
改めて、現在の業務内容を検証し、Teamsを積極的に導入することで、いくつものメリットが見えてくるでしょう。
たとえば、Teamsでは「だらだら・ながら会議」を実現できます。Teamsの「投稿」はチャットの一種ですので、メールより気軽でリアルタイム性に優れ、かといって、ビデオ会議のように会議メンバーの時間を拘束してしまうこともありません。画面の隅にTeamsを表示しておいて他の作業をしながら、Teamsの投稿で会議を展開し、チーム作業の情報共有や意思決定を行うことができます。
わざわざスケジュールを調整して会議を開催するほどでもない…といった、ちょっとした相談、情報交換、連絡などに非常に便利です。
ただし、Teamsにも欠点があります。
名前の通り、Teamsはチームのためのツールです。100人、1000人といった人数の1チームを作成しても、誰が誰やら何が何やらという状況になって運用しきれないでしょう。あくまで、現場ベースの、課や係、プロジェクトチーム、専門委員会、管理職会議などのグループ活用に向いています。
1つのテナント(組織)のTeamsのユーザー数自体は、1000人でも収容できますが、その中に作成する1つ1つのチームについては、顔の見える人数で運用していく必要があります。
また、とても気軽に使い始めることができるのがTeamsの大きな魅力ではありますが、あまりにも気軽すぎてチームやチャネルが乱立して収集が付かなくなった…というようなケースもあります。組織の規模にもよりますが、組織内でどのように運用していくか、ある程度のルール作りは必要でしょう。