テイ・エス テックは、フィンランドのカナツ社と車載向け次世代タッチスイッチを共同開発し、12月1日から開催されるオンラインイベント「Automotive Interiors EXPO Virtual ‘Live' 2020」に出展する。
自動運転レベル3以降の車室空間では、ドライバーがすぐに運転動作に戻れる範囲でのリラックス姿勢をとることが想定される。その際、インストルメントパネルやステアリングに設置されたタッチディスプレイまたはスイッチ類は乗員から遠く、人に最も近いシートやドアトリムが、今後重要なHMIになっていくことが予想される。
カナツ社は、立体形状への造形や延伸可能なタッチセンサー用フィルムなどを開発・製造。テイ・エス テックは、異業種パートナーとのオープンイノベーションの一環として、車載向け次世代タッチスイッチを共同開発した。
今回共同開発した試作品は、ドアトリムのグリップ部に電動パワーシート操作用の立体的な3Dタッチスイッチを内蔵する。スイッチは誤作動防止のためグリップ部を握った時だけ反応。握る位置で起動するスイッチを切り分け、複数の機能を操作できるほか、立体形状で目視の必要がない直感的な操作が可能となっている。
通常のタッチセンサーフィルムでは、立体加工するための引き延ばすような成形には耐えられない場合があるが、試作品はカナツの透明で延伸可能なフィルムの特長を活かし、形状に追従したタッチスイッチを内蔵。テイ・エス テックのドアトリム加飾技術と融合させることで、スイッチの機能性と美しいデザイン性を両立し、ドアトリムが新たなHMIとなる、より快適な車室空間を実現する。