iPhoneユーザーはFace ID(指紋認証機能が付いている機種の場合はTouch ID)でロック解除している方が多くいるかと思います。これらの認証機能は非常に便利なのですが、うまく認証できない時やiPhoneを再起動した時などは、パスコードの入力が求められます。その際に普段はパスコードを使用しないために忘れてしまい、ロック解除ができなくなってしまうケースもあるのではないでしょうか。
iPhoneのロック解除ができないと連絡が取れないですし、決済やスケジュール管理などもiPhoneで行っている方は非常に困った状況に陥ってしまいますので、そのような状況を解決するための対処法と、万一の場合に備えた対策を解説していきます。
補足として、本記事で解説する対処法はロック解除ができなくて困っている方のためのものであり、拾ったiPhoneのロック解除など不正行為を助長するものではありません。
1-1.パスコードによる認証を6回失敗している
iPhoneの再起動や電源を入れた直後、顔認証に5回失敗した後などパスコード入力を求められる機会は思いのほか多くあります。その時にパスコード認証を6回失敗すると、1分間ロック解除ができなくなります。その後の7回目の認証に失敗すると5分間、8回目の認証失敗で15分間とロック解除ができない時間が長くなっていきます。
そして問題は、10回目のパスコード認証の失敗です。
1-2.パスコード認証を10回失敗するとiPhoneが使えなくなる
iPhoneは盗難対策のため、パスコード認証を10回失敗するとロックがかかって使えなくなる仕様になっています。この時に「Touch IDとパスコード」画面にある、パスコード認証に10回失敗した場合の項目の「データを消去」がオンになっていると、保存していた個人情報や画像などが全て消去されて初期化されてしまいます。
1-3.ロック解除できないiPhoneは修理店では対応不可能
iPhoneのロック解除ができないと修理店やキャリアショップ、Appleストアなどに持ち込こんで解決策を聞きに来るユーザーが多いようですが、パスコードは原則としてユーザー本人しか知り得ないものなので、たとえキャリアやAppleストアであっても対応することはできません。
したがって、iPhoneにロックがかかって使えなくなってしまった方は、次の章で解説する対処法を試してみてください。
2.iPhoneのロック解除ができない時の対処法
ここからは、iPhoneのロック解除ができない時の対処法を3つご紹介します。
どの対処法もiTunesやiCloudでバックアップをとっていない部分のデータは消えてしまうので、それについては承知していただく必要があります。
2-1.iTunesを使ってロック解除をする方法
最初に、iTunesを使ってロック解除をする方法を解説します。この方法は、今までiTunesでiPhoneを同期していた方であれば、バックアップを取った時点までのデータが残った状態でiPhoneを復旧できます。
ただし、バックアップを取った時点以降のデータは失われることと、バック復元後にパスコード入力を求められる可能性があります。このため、どうしてもパスコードが思い出せなくて同じ手順を踏むことになる場合は、潔く初期化した方が良いかもしれません。
それではここからは、ロック解除の手順をご説明していきます。
手順①
パソコンのiTunesを起動し、ロックされたiPhoneをパソコンに接続します。iTunesがiPhoneを認識したら、画面左上にあるiPhoneのマークから「概要」を選択します。
手順②
表示された画面のバックアップ欄にある「手動でパックアップ/復元」の「バックアップを復元」を選択します。これでiPhoneのロックを解除することができます。
2-2. iCloudを使ってロック解除をする方法
iPhoneのロックはiCloudを使って解除することが可能です。この方法もパソコンを使用しますが、iTunesに同期する必要はありません。
ただし、「iPhoneを探す」機能がONになっていることが必須となります。
手順①
ウェブブラウザでiCloud(https://www.icloud.com/)を開き、Apple IDとパスワードを入力してログインします。「iPhoneを探す」を選択し、画面上部の「全てのデバイス」を選択。その中からロック解除をしたいiPhoneを選択し、「iPhoneを消去」を選択します。
手順②
画面に「サウンド再生」や「紛失モード」、「iPhoneの消去」というメニューが表示されたら「iPhoneの消去」を選択します。「このiPhoneを消去しますか?」が表示されたら「消去」を選択します。これでロックさ入れたiPhoneが初期化され、ロックが解除された状態になります。2-3.リカバリーモードを利用して復元する
iTunesやiCloudによるロック解除ができない場合は、リカバリーモードを利用してiPhoneを初期化します。
手順①
パソコンのiTunesを起動して、iPhoneは接続せずにライトニングコネクタだけ接続します。
手順②
iPhoneX以降や第2世代のiPhoneSE、iPhone8やiPhone8Plusといった機種の場合はサイドボタンと音量調節ボタンを同時に長押しし、電源オフスライダが表示されたらボタンを離します。iPhoneの電源をオフにしたら、サイドボタンを押しながらパソコンに接続し、リカバリーモードが表示されるまでサイドボタンを押したままにします。
手順③
iPhone7やiPhone7Plusの場合はサイドボタンを長押しし、電源オフスライダが表示されたらiPhoneの電源をオフにします。
音量を下げるボタンを押しながらiPhoneをパソコンに接続し、リカバリーモードが表示されるまで音量を下げるボタンを押したままにします。
手順④
第一世代のiPhoneSEやiPhone6s、iPhone6sPlus以前の機種の場合はサイドボタンかトップボタンを長押しし、電源オフスライダが表示されたらiPhoneの電源をオフにします。
ホームボタンを押しながらiPhoneをパソコンに接続し、リカバリーモードが表示されるまでホームボタンを押したままにします。
手順⑤
iTunesに「復元」または「アップデート」の選択肢が表示されたら、「復元」を選択します。復元が終わるまでしばらく待てばiPhoneが初期化され、ロックが解除されて使えるようになります。
初期設定画面でアクティベーションロックがかかっている場合は、Apple IDとパスワードを入力すれば使えるようになります。
3.iPhoneのロック解除ができないトラブルを回避する対策
iPhoneのロック解除ができない事態に陥っていない方も、トラブル回避のために予め対策をしておいた方が無難です。また、一度ロック解除ができない事態に陥った方も再び同じトラブルに合わないように、以下に解説する対策をぜひ参考にしてください。
3-1.パスコードを控えておく
絶対に忘れないパスコードであれば控える必要はありませんが、忘れてしまう可能性があるのならば覚えているうちに控えておきましょう。また、パスコードと一緒にApple IDとパスワードも控えておくとより確実です。Apple IDさえ覚えておけば、パスコードを忘れてiPhoneを初期化することになったとしても再度使用することが可能になります。
ただし、他の人に絶対に見られない場所か、万が一見られたとしてもパスコードやApple IDと分からないようにしておく必要があります。
3-2.電源が切れないようにする
既にパスコードを忘れてしまっている方は、電源が切れないようにとにかく充電に気を払いましょう。電源が切れてしまって再起動するとパスコードを求められてしまい、最悪の場合iPhoneがロックされて使えなくなってしまいます。
iPhoneを充電して電源が切れないようにしたら、iTunesにバックアップをとって万一の事態に備えるようにしましょう。
3-3.定期的にiTunesでバックアップをとっておく
iPhoneに関するトラブルはロック解除に関することだけではありません。破損や紛失など、もしもの場合に備えてパスコードを忘れている・忘れていないに関わらず、定期的にiTunesでバックアップをとっておくようにしましょう。
3-4.iCoudと同期して「iPhoneを探す」をONにしておく
iTunesを使わない方は、iCloudと同期してバックアップをとっておくようにしましょう。また「iPhoneを探す」をONにしておけば、iPhoneにロックがかかってしまっても解除が可能になります。
4.まとめ
iPhoneはFace IDやTouch IDなど便利な機能が多い反面、パスコードを忘れてしまってロック解除できないというトラブルが多々あります。普段はFace IDやTouch IDを使って認証していてもパスコードを求められる機会は思いのほか多いので、もし忘れてしまう可能性があるならば、他の人に見られない見られることが無い場所にパスコードを控えておくのも一つの手です。時すでに遅く、パスコードを忘れてしまったせいでロック解除が出来なくなった場合は、本記事で解説した対処法を実践してみてください。