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3〜5年の使用を見越したPCを組むなら次世代インターフェースをフル装備の MSI「MAG B550M MORTAR WIFI」

今回紹介するのはMSIの「MAG B550M MORTAR WIFI」。AMD B550チップセットを搭載するSocket AM4 Ryzen向けのmicroATXマザーボードで、このカテゴリの中では高機能モデルだ。ATX、Mini-ITXに挟まれてやや特徴が薄くなっていたmicroATXマザーボードの中で、機能、デザインとも目を引くところがある。そしてスペック細部を見ていくと、3〜5年の使用を見越したPCを組もうといった方にもオススメできる。

机上でコンパクト、拡張性もちょうどよいmicroATXサイズ

『MAG B550M MORTAR WIFI』 MSI 実売価格:18,000円前後

筆者個人の視点として、microATXというフォームファクタは汎用性とコンパクトさのバランスがもっともよいと考えている。MAG B550M MORTAR WIFIで見ていこう。

まず、MAG B550M MORTAR WIFIの汎用性とコンパクトさを紹介しよう。拡張スロットはPCI Express 4.0 x16スロットがひとつ、PCI Express x16形状の3.0 x4スロットがひとつ、PCI Express 3.0 x1スロットが2つ。microATXで4本の拡張スロットを搭載しているためにコンパクトながら拡張性はなかなかよい。ビデオカードを搭載する場合、PCI Express 4.0 x16スロットと直下の1スロットを消費してしまうが、残るPCI Express 3.0 x1、PCI Express x16(3.0 x4)スロットが利用可能だ。そしておおよそ3本分の拡張カード搭載スペースがあればメインストリームニーズの大半はカバーできる。

最上段のPCI Express 4.0 x16スロットは金属補強「PCIe Steel Armor」を装着しており、新世代のハイエンドビデオカードの重量を支える

ストレージでは現在主流のM.2スロットの数が重要かもしれない。M.2スロットは従来のSerial ATA 3.0およびより高速のPCI Express x4接続に対応している。MAG B550M MORTAR WIFIではヒートシンク付きのM.2スロット(#1)がPCI Express 4.0 x4接続(およびSerial ATA 3.0接続)に対応しており、もうひとつ2本のPCI Express x1スロットの間に設けられたM.2スロットがPCI Express 3.0 x4接続に対応している。

ストレージインターフェースの転送帯域としてはPCI Express 4.0 x4が64Gbps、PCI Express 3.0 x4が32Gbps、Serial ATA 3.0が6Gbpsだ。システムドライブのようにOSやアプリケーションを素早く起動起動したい時にはPCI Express 4.0 x4へ対応SSDを、使用頻度の高いデータの保存先にはPCI Express 3.0 x4やSerial ATA 3.0へ対応SSDを、長期保存データなどにはSerial ATA 3.0へSSDやHDDをといった具合で、求める速度/レスポンス、容量単価に合わせて柔軟に選ぶことができる。

また、メモリスロットは4本搭載している。Mini-ITXマザーボードや廉価のmicroATXマザーボードではメモリスロットが2本というものも多い。現在は大容量モジュールも豊富なので2スロットあれば十分という場合もあるが、現状で1モジュール最大32GB、2スロットなら64GB、4スロットなら128GBとその差は大きい。そこまで大容量はなかなか必要となる機会が少ないかもしれないが、メモリの標準搭載容量は年々ゆっくりと増えていくものだ。今後3〜5年でPCの使用目的が変わり大容量メモリが必要になるかもしれない。4スロットあれば2スロットの場合と比べてより柔軟なアップグレードが可能になる。

4本のメモリスロットを搭載できるところは、ローコスト向けのmicroATXや、省スペース向けのMini-ITXに対するアドバンテージ

今後の普及に備え万全、次世代インターフェースをフル装備

もうひとつポイントに挙げられるのが次世代のインターフェースをほぼカバーしている点だ。ここはローコスト向け製品では得られないものも多い。3〜5年間使うことを目標とするならばぜひとも搭載しておきたいところだ。

まずはバックパネルを見てみよう。MAG B550M MORTAR WIFIは中堅モデルだけあって、映像出力、USB、オーディオやWi-Fiなど端子の種類も数も充実している。

この中でポイントに挙げられるのがまずUSB。ちょうど「MAG」マークのある下のところがUSB 3.2 Gen2端子だ。上のポートはUSB Type-A、下はUSB Type-C。USB 3.2 Gen2は10Gbpsの高速転送を実現する。現在、外付けポータブルSSDなどでUSB Type-C型の製品も徐々に増えており、従来型のUSB Type-Aと合わせて両対応していることは重要だ。

USBに関してはオンボード側にも注目したい。マザーボード右端、ATX24ピンとSerial ATA 3.0端子に挟まれるスペースにあるのがUSB 3.2 Gen1対応のType-Cヘッダーだ。こちらの転送速度は5Gbps。最近徐々に登場しだしたフロントUSB Type-C端子対応ケースと組み合わせてケース前面からUSB Type-Cポートが利用可能になる。ここもローコスト向けマザーボードでは省かれがちなところ。多くのマザーボードが背面バックパネルでUSB Type-Cに対応しているとしても、着脱頻度の高いType-Cデバイスを利用する際、背面端子はめんどうだ。やはりケース前面で着脱できるというのは快適さが違う。

再びバックパネルに戻り、次はネットワークを見ておきたい。まず有線LAN。刻印のとおりMAG B550M MORTAR WIFIは2.5Gbpsに対応している。現在はまだ1Gbps(1GbE)が主流だが、AMD B550世代から2.5GbEがミドルレンジクラスのマザーボードにも搭載されはじめた。もちろんこれだけあっても高速とはならない。スイッチングハブやルータ、インターネット接続など経路を含めて2.5GbEに対応してはじめて快適さが得られるものだが、現時点で対応しておけば将来の普及に備えることになる。

2.5GbEチップはRealtek RTL8125Bを採用

そして無線LAN。バックパネルに2つのアンテナ端子があり、その裏にはIntel Wi-Fi 6 AX200が装着されている。Wi-Fi 6(IEEE802.11ax)は従来のWi-Fi 5(IEEE802.11ac)よりも高速の次世代無線LAN規格だ。MAG B550M MORTAR WIFIは最大2400Mbps(2.4Gbps)対応。これまで、無線LANは有線LAN(1GbE)ほど高速ではないイメージをお持ちかもしれない。しかしWi-Fi 6は1Gbpsを大きく超える理論速度で、実際に利用してみても1GbEと同等かそれ以上に高速な転送速度が得られる。Wi-Fi 6対応の無線LANルータは、2.5GbEハブなどよりはよほど入手性がよくなってきているので、アップグレードを検討してもよい時期に差し掛かってきていると言えるだろう。

このように、MAG B550M MORTAR WIFIは現時点で登場している次世代インターフェースの大半をカバーしている。先にも書いたとおり、3〜5年間使うPCを組むなら、その間不足のないインターフェースをいち早く備えたマザーボードがよい。拡張カードで追加していく方法もあるが、オンボードのほうが割安だ。そしてオンボードだからこそmicroATXで十分、コンパクトさのメリットを享受できるといった具合である。

さて、ここまで次世代インターフェースを見てきたが、現在一般的な端子、レガシーな端子、そしてあると便利な機能も備わっている。まず映像出力はDisplayPortとHDMI。CPU版Ryzenはビデオカードとの組み合わせが必須だが、最近バルク販売が開始されたRyzen APU(Renoir)シリーズで利用できる。

また、PS/2ポートをひとつ搭載しているのもポイントかもしれない。PS/2キーボードやマウスの新製品はほとんど見かけなくなってきているが、その昔購入したお気に入りキーボード&マウスを次のPCでも利用したいといった場合、これを搭載していると便利だ。そしてもうひとつ、MAG B550M MORTAR WIFIがミドルレンジ以上であることの証と言えるのがFlash BIOS Button。USBフラッシュメモリにBIOS更新ファイルを入れてUSBポートに挿した後、このボタンを押せばBIOS更新が行なえるという機能だ。

信頼できる冷却機構と電源回路を個性的デザインで実現

最後の特徴にMAG B550M MORTAR WIFIのデザインを挙げよう。現在のマザーボードはPCB基板を黒く塗った「ブラックデザイン」が主流である。MAG B550M MORTAR WIFIもベースとしてはブラックデザインと言えるのかもしれないが、各部ヒートシンクや基板のパターンにシルバーを採用したことでよいアクセントが生まれている。室内照明によってはより白く見えるかもしれない。モノトーン的なカラーリングだ。VRMヒートシンクの大きさにも注目したい。最近のミドルレンジ以上のマザーボードでは従来後付けだったバックパネルを装着済みとし、そのバックパネルとVRMヒートシンクとをカバーによって一体化したデザインがトレンドとなっている。MAG B550M MORTAR WIFIも一見すればこのトレンドに沿ったデザインだが、ひとつ違うところがある。シールド一体型デザインのマザーボードは、VRMヒートシンクの上からプラスチック製シールドを装着したものがほとんどだ。それに対してMAG B550M MORTAR WIFIはVRMヒートシンク自体を大型化することでシールドとしている。デザイン性と実用性の両立と言えるだろう。

VRMヒートシンクの冷却性能はマザーボード選びのポイントになる。半導体の寿命は温度によって変わり、高温下にさらされ続けると寿命が早まってしまう。マザーボード上でもっとも発熱量の大きいVRMを過不足なく冷却を行なうことは、マザーボードを長期に利用するための鍵になる。もちろん、ローコスト向けマザーボードも動作に問題のない熱設計で販売されているが、MAG B550M MORTAR WIFIのようにより徹底した冷却デザインの製品は安心感がより高い。それに、半導体自体の品質・耐久性も長期使用のポイントとなる。

それでは電源回路の部品構成を見てみよう。電源回路は「フェーズ」と呼ばれる単位で考える。MAG B550M MORTAR WIFIでは8+2+1フェーズ構成だ。もっとも消費電力の大きいCPU向けが8フェーズ、SOCが2フェーズ、APUが1フェーズと使い分けられている。ミドルレンジマザーボードではおよそ8〜10フェーズ。そう考えるとMAG B550M MORTAR WIFIはミドルレンジ製品として少し余裕のある構成だ。フェーズ数が多いことにより負荷を分散でき安定性が向上する。負荷が小さければ発熱も抑えられ、部品の寿命を縮める要因を減らすことができるといったメリットがある。

CPUソケットの左に8フェーズ、上に2フェーズ、EPS12V端子横に1フェーズといったレイアウト

こうした電力供給を制御しているのがPWMコントローラチップのRenesas Electronics「RAA229004」。デジタル制御で負荷の変動に対して素早く対応できる。そこにつながるMOSFETはRenesas Electronics(Intersil)「ISL99360 Smart Power Stage」。次段のチョークコイルと1対1になる形で並んでいる。MSIではこれらデジタルベースの電源設計と基板設計とをあわせて「CORE BOOST」と呼び、マルチコア時代のCPUに対し高負荷の操作を行った場合でも、速やかで歪みのない電力を供給することができるとアピールしている。

PWMコントローラチップのRenesas「RAA229004」、MOSFETにRenesas「ISL99360 Smart Power Stage」という組み合わせは、ミドルレンジ、とくにアッパーミドルレンジのマザーボードでよく採用されている。

最後に再びデザイン面に戻りひとつ指摘しておこう。最近のマザーボードは、大半が「ゲーミング」向けマザーボードだ。ただし、この「ゲーミング」はゲーム専用というよりはマーケティング用語であって、幅広いニーズに対応できるものだ。PCゲームは負荷が高く変動も激しい。そうした用途でも問題なく安定性が得られる設計であることのアピールと捉えればよい。

ただし、ゲーミングマザーボード=LEDで光るというイメージもあるだろう。LEDイルミネーションは誰もが求めるというものではない。その点、MAG B550M MORTAR WIFIはゲーミングマザーボードだがイルミネーション用LEDは非搭載。PCが光る必要はないとお考えの方に最適なモデルだ。ブラック/シルバーの配色なのでLEDなしでも十分な見映えである。一方、シルバー部分にLEDの光を反射させれば幻想的な雰囲気も出せる。そのため、LEDヘッダーはしっかりと搭載している。CPUクーラーやLEDストリップなどを追加し、LEDヘッダーに接続すればそれらをユーティリティ「Mystic Light」でコントロール可能だ。

Ryzen APUとの組み合わせで自作PCを楽しもう

さて、今回MAG B550M MORTAR WIFIを検証するにあたり組み合わせたCPUはAMD Ryzen 5 PRO 4650G。第3世代Ryzenと同じ現行Zen2コアを採用し、グラフィックス機能を統合したAPUである。ほかにもRyzen 7 3800Xなどが手元にあったが、これを選んだのはMAG B550M MORTAR WIFIで「ステップアップグレードが可能な自作PC」を組む際にピッタリだと考えたためである。では自作PCのエントリーユーザー向けに考えた「ステップアップグレード」プランを紹介しよう。

まず、Ryzen PRO 4000Gシリーズは、現在、マザーボード(などPCパーツ)とセット販売されている。セット販売という点で魅力的な割り引きを行っているショップもあるので探してみてほしい。6コア12スレッドのRyzen 5 PRO 4650Gのほか、8コア16スレッドのRyzen 7 PRO 4750G、4コア8スレッドでより安価なRyzen 3 PRO 4350Gもラインナップされている。

また、Ryzen PRO 4000Gシリーズのグラフィックス機能は、CPU内蔵のものとしては強力なRadeon Graphicsだ。もちろんゲーミング向けの単体ビデオカードには及ばないが、エントリー向けゲームをHDないしはフルHDで楽しめる。つまり最小構成ではビデオカードなしで組むことが可能だ。加えて、仮にPCトラブルが生じた際、問題箇所を特定するためにビデオカードなしでも動作する統合GPUはあると便利なものでもある。

MAG B550M MORTAR WIFIが搭載するAMD B550チップセットは、このRyzen PRO 4000Gシリーズの動作をサポートしている。上位のAMD X570チップセットでもサポートしているが、AMD B550と比べると高価格帯のチップセットであり、一足早くリリースされたチップセットということでマザーボードの次世代インターフェース対応という点では確認が必要だ。より安価なAMD A520チップセットはコスパ向けPCには最適だが、ステップアップを考えると選択肢が狭くなる。その例がPCI Express 3.0までしかサポートされない点だ。Ryzen PRO 4000Gシリーズ自体はPCI Express 3.0までのCPUだが、載せ替えた次のCPUはどうだろうか。おそらくPCI Express 4.0世代のものになるはずだ。その時、PCI Express 4.0対応のビデオカードやSSDを利用できないならば悔しい思いをすることになるだろう。この点でAMD B550搭載マザーボードを、各種次世代インターフェースを備えたMAG B550M MORTAR WIFIが魅力となるはずだ。

ここで紹介したMAG B550M MORTAR WIFIとRyzen PRO 4000Gシリーズの組み合わせはあくまで一例だ。自作PCではさまざまなCPU、さまざまなビデオカードがあり、CPUはコア数、ビデオカードは楽しみたいゲームに応じて幅広い性能グレードが用意されている。ただ、これから始めようという方にいきなり最上位を、30万円、50万円するような構成をオススメするのも難しい。その時の予算に応じてステップアップする、一品ずつアップグレードしていくプランなら、敷居が低く、予算も低く抑えられるので、ご検討いただきたい。

MAG B550M MORTAR WIFIの特徴としては、microATXというちょうどよいサイズ感と拡張性、次世代インターフェースを幅広くサポート、デザインと信頼できる回路設計が挙げられる。microATXというサイズについては好みもあるだろうが、説明したとおり机の上に置く場合の圧迫感の少なさ、拡張性を残すという点でメリットがあると捉えていただきたい。

次世代インターフェースやデザインへのこだわりは、本製品がローコスト向けではなくアッパーミドルグレードだからこそ許されたものと言える。そしてこの充実したスペックは、3〜5年使うPC、ステップアップグレードできるPCを検討している方にとってポイントになるはずだ。



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