米Epic Gamesは9月4日(現地時間)、米Appleとの訴訟で、AppleによるEpicの人気ゲーム「Fortnite(フォートナイト)」のApp Storeからの削除およびEpicの開発者アカウント停止に対する差し止め命令を米カリフォルニア州北部地区連邦地裁に申し立てた。
Epicは公式Twitterアカウントで「本日裁判所に対し、Appleの違法な締付けに敢えて挑んだEpicに対するAppleの報復を差し止めるよう要請した。これは、Appleによる高額で反競争的な規制から消費者と開発者を解放するために必要なステップだ」とツイートし、訴状へのリンクを公開した。
同社は添付資料を含めると182ページに上るこの訴状で、フォートナイトのApp Storeからの削除で生じた損失について説明した。
アプリ削除以来、フォートナイト全体のDAU(日間アクティブユーザー数)は60%以上減少したという(フォートナイトにはiOS版以外に、PC、Mac、Android、PlayStation、Xbox、Nintendo Switch版があり、登録者数は合わせて3億5000万人以上)。Epicによると、iOSはフォートナイトで最もユーザーが多いプラットフォームで、1億1600万人以上の登録ユーザーがiOSでゲームをプレイしているという。また、iOS版ユーザーの63%は、iOS以外ではフォートナイトをプレイしていないとも説明した。
この訴訟でEpicは、フォートナイトのアプリストアからの削除と同社のゲームエンジン「Unreal Engine」へのアクセス不能につながる全開発者アカウントの停止に対する差し止め命令を求めている。初審理でイボンヌ・ゴンザレス・ロジャーズ判事は、Unreal Engineに関しては「報復的」だとし、後に差し止めを命じたが、フォートナイト削除については「Epicは(フォートナイト削除で生じる)回復不能な被害について示していない」として却下した。
Epicは新たな訴状で、フォートナイト削除と関連する開発者アカウントの停止は、「Appleの独占に挑戦しようとする他の開発者への明らかな警告だ。『われわれのルールに従うか、さもなければ10億人のiOSユーザーから切り離す。われわれに歯向かう者は破壊する』という警告だ」としている。
Appleは一貫して、Epicが敢えて追加したガイドライン違反の機能を修正すればアプリを復活するとしている。
Epic対Appleの訴訟(訴訟番号:4:20-cv-05640)の次の審理は9月28日午前9時半から、前回と同様Zoomで行われる予定だ。