中国のスマホメーカー「ZTE」のサブブランドである「Nubia」が、曲面ディスプレイ搭載のスマートウォッチ「Nubia Watch」をリリースした。同社は、2019年のモバイルワールドコングレスでNubia Watchのプロトタイプを発表していた。
筆者は、生産前モデルを数週間テストしているが、プロトタイプに比べて薄く(それでも14.2mmと比較的厚いが)、ディスプレイは明るくてUIも改善している。筆者がテスト中のモデルは、中国市場向けであるため中国で禁止されているWhatsAppの通知が正常に表示されない。Nubiaによると、海外モデルはWhatsAppやグーグルのアプリに対応しており、欧米のユーザーが使いやすい仕様になっているという。
ハードウェア面では、Nubia Watchは非常にユニークな製品だ。4インチの有機ELディスプレイが手首の半分ほどを覆い、アルミ製のボディは感触が良く、両端にゴム製ストラップが接続している。フィット感は快適だが、ディスプレイが大きいため、耐久性が心配だ。
ディスプレイは外見が素晴らしいだけでなく、太陽光が明るい環境でも鮮明に見ることができる。リューズに似た物理ボタンが1つあり、押すことができるが、操作の大半は一般的なスマートウォッチ同様にスワイプやタップで行う。
このディスプレイは注目を集めるに違いないが、サイズの大きさを十分に活かしきれていない。健康管理や天気予報のアプリを起動すると多くの情報が表示されるが、ウォッチフェイスや他のアプリでは、より小型なスマートウォッチと同量の情報しか表示されない。ウォッチフェイスでより詳細な情報が表示されるとさらに利便性が向上するだろう。
Nubia Watchは、Bluetoothでスマホとペアリングすることが可能で、eSIMを使って単体でネット接続することもできる。一度ペアリングすると、通知を受信することができるが、内容を読むだけで、返信はできない。個人的にこれは大きな欠点だと思うが、Nubiaによると、ソフトウェアエンジニアが現在改善に努めているという。
Nubia Watchは、心拍数の計測などの一般的なフィットネストラッキング機能を備えている。筆者はこれらの機能を試してみたが、精度は高いと感じた。
充電は専用のプラグを使って行う。バッテリーは、一度充電すると機能をフル活用した場合でも約2日持続する。省電力モードにすれば、7日間持続する。省電力モードでは、時間表示のほか、歩数計測やノーティフィケーションを利用することができるが、心拍数の計測はできない。
Nubia Watchのハードウェアは、総合的に優れており、手首にミニコンピュータを巻くことができる機能にとても興奮している。しかし、ソフトウェアは改善が必要だ。海外モデルがWhatsAppやGmailのノーティフィケーションに対応しているとしても、返事を書くことができないのは大きな欠点だ。ウォッチフェイスも機能の拡充が求められる。
Nubiaは、現在実施中のクラウドファンディングキャンペーンでNubia Watchを販売しており、価格は約150ドルとなっている。さらに、今年後半には店頭販売を開始する予定だという。ソフトウェアが改善されたバージョンを手に入れたいのであれば、店頭販売まで待つのが賢明だろう。