NTTドコモは8月25日に開催したネットワーク説明会で、「真の5G」ことスタンドアロン5G(5G SA)を2021年度に導入すると明かしました。KDDIとソフトバンクも同時期に導入予定で、3社の足並みが揃った格好です。
「真の5G」と聞くと、現行の5Gは一体… と感じる読者もいるかもしれません。現行の5Gは、既存の4Gネットワークをベースとしつつ、部分的に5Gを展開する「ノンスタンドアロン」(NSA)方式です。中核の「コアネットワーク」は4Gのままで、音声通話も4G網を利用します。ベースが4Gなので、5Gの特徴である「超大容量」「超多接続」「超低遅延」のうち、実現できるのは「超大容量」だけです。
一方の「スタンドアロン5G」では、コアネットワークを5G化することで、5G単独でのエリア構築が可能となります。音声通話も「VoNR」として5Gで完結します。
また、通信の用途ごとに帯域幅を細かく制御する「ネットワークスライシング」にも対応。同技術を使えば、『遠隔医療向けには一定の通信速度と低遅延を保証する』『多数のIoT機器と同時接続する』といった帯域幅や低遅延の保証が可能となり、産業における活用の幅が広がります。5Gが革新的とされる用途の多くは、このスタンドアロン5Gを前提にしています。
なお、スタンドアロン5Gは3キャリアとも一部エリアより順次展開する方針を示しています。