Appleは「Appleメガネ」または「Appleグラス」と巷で呼ばれている拡張現実(AR)ヘッドセットの開発を行っているとされていますが、新たな関連特許の取得が確認されており、デバイスに設置型のハブデバイスが用いられる可能性が浮上しました。
リレードックとベースステーションを使用
米国特許商標庁(USPTO)に現地時間の8月25日付けで認可が下りたAppleの特許は、「所定の方向に波の指向性を高める技術を使った、位置情報のためのリレードックとベースステーション(Relay dock and base station with position information based directional wave forming)」と名付けられたものです。
Magic Leap Oneがポケットサイズの外付けの処理ユニットを必要とするように、多くのAR/VRヘッドセットはデバイス外の処理能力に頼る仕組みとなっていますが、AppleのARヘッドセットも例外ではないかもしれません。
Appleの特許には、ベースステーションとリレードックが描かれており、ベースステーションで処理された情報がリレードックに転送され、そこから個々のARヘッドセットにデータが行き渡るようになっています。
ARヘッドセットを装着しているユーザーの位置特定には、デバイス上のカメラ、加速度計、ジャイロスコープ、外付けの赤外線カメラなどが使用されます。
ユーザーの位置を詳細に把握することで、所定の方向に波の指向性を高める技術であるビームフォーミングの使用が可能となり、データ転送にかかる電力の抑制、プライバシー保持が実現されます。
アイブ氏はハブデバイスの使用に反対だった?
Appleで最高デザイン責任者を務めたジョナサン・アイブ氏は、2018年当時Appleが開発を進めていた2つのARヘッドセットのうち、よりグラフィック性能の高いハブデバイスを使用するデバイスはシンプルさに欠けるとして、そのあり方に異論を唱えたとされています。それゆえ、Appleは現在外部デバイスに頼らない軽量タイプのARヘッドセットを開発中であるとのことです。
Appleグラスには超高解像度スクリーンが採用される見通しで、バーチャルの物体と現実世界の物体の見分けがつかなくなり、シネマティックなスピーカーシステムにより没入感の高い体験が可能になる、と試作品を使用した人物は語っています。