1人にしか聞こえないスピーカー
スピーカーの役目は音を拡大・拡散して多くの人に伝えることだが、「SRAY(エスレイ)」はそれと真逆の意図で製品化された1人にしか音が聞こえないスピーカーである。アンプを内蔵したアクティブ型でBluetooth対応、有線でも接続可能、さらにマイクロSDカードに保存したデータも再生できる。ACアダプタに加えてモバイルバッテリーでも使えると利用範囲の広い製品に仕上がっている。
なぜ、このようなイヤホンのような機能が必要なのかと言えば、テレワークで周囲の音を聞きながら機密性を保ってビデオ会議をしたいとか、特定の位置にいる人だけに音を伝えたい、例えば店舗での商品説明や美術館で作品の解説を流す場合などに必要となる。
スピーカー固定用ミニ三脚、ステレオミニ端子の接続ケーブル、ACアダプタと充実した付属品スピーカー裏面の三脚用ネジ穴を使って、様々な機器に固定できる
使い方はカンタンで3つのモードが選べる
スピーカーの正面には小さな円形の振動板がズラリと並んでいる。それから推察すると、これはパラメトリックスピーカーと呼ばれる方式に違いない。複数個のトランデューサーを並べて鋭い指向性を実現している。その原理は省略するが超音波を使ったハイテクが使われているのだ。
原理はハイテクだが、インターフェイスは極めてシンプル。電源ボタンの長押しでBluetoothのペアリングモードに入り、ケーブルを接続すれば有線入力に切り替わる。あとは音量調整と再生/停止ボタン、モードを切り換えるためのスライドスイッチがある。P、H、Nのいずれかを選択することで、指向性モード、ハイブリッドモード、通常スピーカーモードで再生できる。