今回は、エディオン モザイクモール港北店(横浜市都筑区)にお邪魔して、大画面テレビの売れ筋を取材しました。
ドンキ、情熱価格プラスの50V型・58V型4K液晶テレビを4,000円オフ
大画面テレビの売れ行きは大型スポーツイベントと連動しやすいのですが、今夏はご存知のとおり東京五輪が延期となりました。五輪特需は肩透かしとなってしまいましたが、同店の売り場は意外にもそこまで目立った落ち込みはない様子です。
担当スタッフの金田裕之氏は「新型コロナにより家にいる時間が長くなったこともあり、家で楽しめる環境を充実させたい、長く使えるいいテレビがほしいというニーズが伸びているのを感じます」と話していました。
おうち時間の充実というキーワードが大きくなっているのは、下記のトレンド三箇条にも現れています。テレビ放送を楽しむためのツールにとどまらず、ネットを含めた映像コンテンツをハイクオリティで味わえるモデルが人気を集めているとのこと。それを踏まえて、直近の売れ筋トップ5を追いかけていきましょう。
Netflixやhuluなどのネット配信サービスに標準で対応するモデルが人気。ブランドによって対応方法が異なる点は要チェック
画面サイズは55V型が主流。液晶タイプと有機ELタイプがそれぞれ需要を伸ばしている
映像だけでなくサウンド面にも強いモデルが支持を集める傾向あり。「最低限」より「良いモノを」の流れができている
※本文と写真で掲載している価格は、2020年8月5日16:00時点のもの。日々変動しているので、参考程度に見てください。
第1位:音と映像の一体感が楽しめる「BRAVIA KJ-55X9500H」
一番人気となっていたのは、ソニーの55V型4K液晶テレビ「BRAVIA KJ-55X9500H」でした。音の出る位置を画面の高さに合わせる「アコースティック マルチ オーディオ」機能を備え、ネットコンテンツはAndroid TVで対応します。取材時の税込み価格は202,040円でした。
「液晶テレビのなかでも画面がきれいと評判で、映り込みも少ないですね。映像と音が一体となるので臨場感がありますし、ネット動画も存分に楽しめる。そのうえで20万円前後と買いやすい値段ということで、定番になっていますね」
第2位:画面が振動する有機ELモデル「BRAVIA KJ-55A9G」
続く2位もソニーがランクインしました。55V型の4K有機ELモデル「BRAVIA KJ-55A9G」です。こちらは、画面そのものを振動させて音を出す「アコースティック サーフェス オーディオプラス」構造を採用しており、音と映像がよりフィットして体験できるのがポイント。Android TVも備えています。取材時の税込み価格は319,000円。
「液晶に比べると有機ELはどうしても高額になりますが、それでもずいぶん買いやすくなりました。音と映像を重視したい、ネットコンテンツもたっぷり楽しみたいというニーズに支えられているモデルといえるでしょう」
第3位:首振り可能な60V型モデル「4T-C60CN1」
3位には、シャープの60V型4K液晶モデル「AQUOS 4T-C60CN1」が入っています。取材時はシリーズの55V型が未発売で、60V型でも税込み182,800円と値ごろになっていることも、主流よりも大きい60V型モデルのランクインを後押ししたようです。Android TV機能を備えており、こちらもネット映像コンテンツが存分に楽しめます。
「パネルの視野角が広くて、スタンドが首振り対応になっているので、大画面ながらリビングにも置きやすいテレビといえますね。サウンドも低域から高域まで聞き取りやすいと評価が高いです」
第4位:天井の反響も利用した有機ELテレビ「VIERA TH-55GZ2000」
4位は、パナソニックの55V型4K有機ELテレビ「VIERA TH-55GZ2000」です。「テレビ一体型イネーブルドスピーカー」を内蔵し、天井からの反響も利用してサウンドの臨場感を演出しているのがポイントです。ネット動画には独自技術で対応し、NetflixとABEMAはリモコンにボタンを装備。そのほかのビデオオンデマンドサービスも利用できます。取材時の税込み価格は309,060円でした。
「よく見るチャンネルやサービス、アプリをホームに登録できるので、使うほどに便利に感じますね。有機ELの高機能モデルということで、BRAVIA KJ-55A9Gと同じく、音と映像の臨場感を重視する人に人気です」
第5位:オールインワンで不動の人気「LCD-A50RA2000」
5位には、三菱電機の50V型4K液晶モデル「LCD-A50RA2000」が入っています。2TB HDDとUltla HD BD対応レコーダーを内蔵したオールインワンモデルで、画面下部にスピーカーを搭載。ネット動画はABEMAやTSUTAYA、YouTubeなどに対応しています。取材時の税込み価格は238,800円。
「オールインワンモデルを長らく提供してきたメーカーということで、レコーダー機能込みのテレビを探している方の第一選択になっていますね。リモコンも分かりやすくシンプルになっていて、ご高齢の方にも好評です」
はみ出し情報…大画面志向の人には65V型モデルが人気
そのほかの動きとして、より大画面を求める人も多くなっている様子です。「ベゼルが細くなったことで、今までの置き場所のままで大画面が狙いやすくなっているのと、4K化で視聴距離が短めになったことで、60V型を超える大画面を選ぶ道筋もかなり広がってきた印象があります」
現在は65V型の人気が高まっていて、「BRAVIA KJ-55A9G」や「VIERA TH-65GZ2000」などの大型有機ELタイプも好調に売れているとのことです。
著者 : 古田雄介 ふるたゆうすけ フリーランスライター。『アキバPick UP!』(ITmedia PC USER/2004年~)や『売り場直送! トレンド便』(日経トレンディネット/2007~2019年)などのレポート記事を手がける。デジタルと生老病死のつながりにも詳しい。著書に『スマホの中身も「遺品」です』(中公新書ラクレ)、『ここが知りたい!デジタル遺品』(技術評論社)、『故人サイト』(社会評論社)など。 この著者の記事一覧はこちら