最近のタブレットのトレンドのひとつに、ノートPCのように使えることが挙げられます。キーボードを装着してテキスト入力を行ったり、マウスやタッチパッドでの操作を行うなど、ノートPCの代替として使うというわけです。多くの場合、ノートPCより軽量ということもあり、持ち歩きにも適しています。
【写真】ノートPCに向いてるのは「iPad」か「Surface」か(全9枚)
左が「iPad」にオプションのSmart Keyboardを装着した状態、右が「Surface Go 2」にオプションのタイプカバーを装着した状態。いずれもマグネットで本体に吸着し、ノートPCのようなスタイルで操作できます
なかでもiPadについては、新しくマウスやトラックパッドをサポートしたことで大きく生まれ変わりました。上位モデルのiPad Pro向けには、トラックパッド搭載のキーボード一体型ケース「Magic Keyboard」も発売されるなど、ノートPCスタイルでの利用を積極的に推進しようとする動きも見られます。
一方、Windowsについては、タブレットでありながら実質的にキーボードを組み合わせての運用を前提とした「Surface」シリーズが、根強い人気を誇っています。先日新たに登場した「Surface Go 2」は価格も安く、iPad×専用キーボードの組み合わせに匹敵するモデルといえます。
今回は、この「iPad」と「Surface Go 2」(以下Surfaceと表記)に関して、ノートPCの代替としての使い勝手を検証します。なお両製品と組み合わせて使うオプションのキーボード兼用カバーは、iPadが「Smart Keyboard」、Surface Go 2は「タイプカバー」という名称ですが、以下では「キーボード」という表記に統一しています。
その1)設置時の安定感はiPadが上か
両者のサイズはほぼ同等で、画面サイズもほぼ同じ。iPadはカバーを三角形に折り曲げて本体を背後から支えるのに対し、Surfaceは背面のキックスタンドで本体を支えます。iPadは角度が変更できないぶん安定感が高いため膝の上での利用にも向き、Surfaceは膝の上で使いづらいぶんデスク上では角度が自由に変えられ便利です。使い方によって評価が変わってくるでしょう。
その2)両者ともに700g台でノートPCより持ち歩きやすい
本体とキーボードを合わせた重量はいずれも700g台。一般的なモバイルノートは1kg前後あることを考えると軽量で、持ち歩いての利用にも適しています。ただし側面および背面は両者ともにむき出しの状態ですので、持ち歩く場合は保護ケースの重量が追加されることも考慮しておいたほうがよいでしょう。
その3)キータッチは「しっかり押せる」Surfaceに軍配
キー配列は、iPadはMacとほぼ同じ、SurfaceはWindowsそのもので、両OSに慣れていればおおむね違和感なく使えます。キーピッチはどちらも18.5mmとほぼ互角。キータッチは、iPadはややペコペコとした感触なのに対し、Surfaceはストロークが深く、打鍵感はSurfaceのほうが上です。
その4)Surfaceは「マウス操作が快適&トラックパッド搭載」
iPadは、iPadOS 13.4以降でマウスとトラックパッドが使えるようになりました。ただしマウス操作はまだ完全に最適化されておらずタッチ操作のほうが快適に感じることも多いほか、Smart Keyboardとは別にマウスを用意する必要があります。SurfaceはWindowsそのものということでマウス操作に最適化されており、さらにタイプカバーはトラックパッド搭載とあってマウスなしでも自然な操作が可能です。
その5)iPadは「他のアプリを参照しながらの入力作業」に難あり
両者とも好みのエディタを使ってのテキスト入力が行えますが、iPadはもともとがピュアタブレットゆえ基本的に全画面表示となり、ブラウザや文書を参照しながらの入力作業はかなり面倒です(画面の分割表示機能を使っても並べられる画面は2つまで)。SurfaceはWindowsそのものということでウィンドウ幅の変更も自在、また他のアプリと並べたり重ねたりと柔軟に対応でき、参照しながらの入力作業も容易に行えます。
(6)USB Type-Cも搭載! 拡張性はSurfaceが心強い
iPadの外部接続はLightningポートのみなのに対し、SurfaceはUSB Type-Cに加えてACアダプタ用の専用ポートを搭載し、2通りの充電方法に対応します。さらにカードリーダーも搭載するなど拡張性は高めです。汎用的なUSB Type-Cが使えるのも強みでしょう。このほか両製品ともイヤホンジャックを搭載します。
(7)iPadは「容量違い」のみで、選びやすい!
製品のバリエーションは、iPadは基本的に容量違いのみで、CPUが異なる上位モデルは別型番(iPad Airなど)になっており、初心者にもわかりやすい構成です。Surfaceは、CPUやメモリ容量が異なる複数のモデルが用意されるほか、法人向けにはOfficeが付属しないモデルがあるなど、豊富である反面わかりにくいのも事実です。