Twitterが2020年8月12日に、サードパーティ向けAPIの「Twitter API v2」をリリースしました。2012年に「Twitter API v1.1」がリリースされて以来の大幅な刷新により、これまでになかった新機能や複数のアクセスレベルなどが利用可能になっているとのことです。
Twitterは2012年8月に「Twitter API v1.1」をリリースしました。しかし、IT系ニュースサイトThe Vergeによると、このAPIは制限が多くカスタマイズ性に乏しいとして開発者の間では不評で、多くの開発者がTwitterから離れる一因となってしまっていたとのこと。
一方、「Twitter API v2」には追加の要望が多かった「会話スレッド」「ツイート内での投票結果」「ツイートのピン留め(トップに固定)」「スパムフィルタリング」に関する機能など、多くの新機能が盛り込まれているとのことです。
また、これまではAPIが「スタンダード(無料)」「プレミアム(有料/セルフサービス型)」「エンタープライズ(有料/カスタムAPI)」の3つに分かれており、開発者はニーズの拡大に応じて移行作業をしていましたが、「Twitter API v2」では1つに統合されました。これにより、将来的にすべての開発者が同じAPIを使うようになるとTwitterは述べています。
APIが1つになった代わりに、「Twitter API v2」からは大半の開発者が標準で使用する「Standard」、学術研究者向けの「Academic research」、エンタープライズ向けの「Business」の3つに分かれた「プロダクトトラック」が導入されました。
各プロダクトトラックはさらに、「Basic」「Elevated」「Custom」の3つのアクセスレベルに分かれており、研究者やメーカー、企業などさまざまな開発者が用途に合わせてきめ細かいオプションを利用できるようになります。
さらに、「Twitter API v2」のリリースに合わせて開発者ポータルが刷新され、オンボーディングウィザード、アプリの管理、APIの使用状況と制限の把握、新しいサポートセンターへのアクセス、ドキュメントの検索などが行えるように改善されたほか、将来的にはさらに多くの情報が得られるようにする予定とのこと。
今回公開された「Twitter API v2」は、当初7月16日のリリースが予定されていましたが、前日にテスラの創業者であるイーロン・マスク氏などの著名人のアカウントが多数乗っ取られる問題が発生していたため、リリースが遅れていました。
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Twitterで製品開発責任者を務めるイアン・ケアンズ氏によると、「Twitter API v2」は現段階では「アーリーアクセス版」という位置付けとのこと。Twitterの公式ブログでケアンズ氏は「これはまだ始まりに過ぎません。私たちは今後、APIのビジョンを更新し続けるための公開ロードマップと、フィードバックを共有するオプションを通じて皆さんから学び続けて、これからの計画を立てていきます」と述べて、開発者の声を今後のAPI開発に反映させていく考えを示しました。