NECパーソナルコンピュータのモバイルノートPCの中で、特に働くビジネスパーソンをはじめとするプロフェッショナルのために機能とデザイン、使い勝手を洗練させた「LAVIE Pro Mobile」の2020年夏モデルは、“テレワーク特化PC”をテーマに掲げている。最上位グレードの「PM950」を借りてテレワーク環境で活躍しそうな機能を中心に試した。
テレワーク特化をコンセプトにうたう、NECのLAVIE Pro Mobile 2020年モデル
軽さに剛性、生産性のバランスを追求した
LAVIE Pro Mobile/PM950はディスプレイに半光沢タイプの13.3型広視野角IPS液晶を搭載するモバイルノートPCだ。上位モデルのプロセッサはインテル第10世代Core i7シリーズを標準仕様とする。モバイルノートのユーザーが求める「軽さ」について、NECの独自調査によると「900g以下ならば自宅・会社の間での持ち運びなどが苦にならない」という声が多く返ってきたという。この結果からNECは、LAVIE Pro Mobileシリーズではむやみに「世界最軽量」を追求するのではなく、デザインや剛性、生産性など可搬性能以外の要素も含めた総合力をバランスよく持たせたモバイルノートPCを目指した。そのため、新しいLAVIE Pro Mobileは本体の質量を約889gとした。天面・底面の素材には異なる物性を持つ高剛性・高耐久性カーボンを採用。落下だけでなく局所的にかかる圧力にも強い設計とした。仕事がらモバイルノートPCをラフに扱ってしまうことが多いという方には、心強いツールになりそうだ。
本体質量は約889g。可搬性にも優れる
バッテリーはACアダプタなしで24時間使えるスタミナをうたっているが、このこと以上に筆者が注目したのは65Wアダプタのサイズがとても薄くなったことだ。アダプタの質量は旧モデルから7gほどアップしているが、1時間で約80%までバッテリーを急速充電できるアダプタがスリムになったことは大きな朗報だ。飛行機による出張の際にも手荷物のスペースを取らずにPCとアダプタが収納できる。
薄くて軽いACアダプタ。PC側はUSB PD端子に接続
外部インターフェースには2基のUSB Type-Cと、USB 3.1対応Type-A端子を1基のほか、ディスプレイ機器との接続に欠かせないHDMI端子、microSDカードスロットを設けた。NECのLAVIEダイレクトショップからはSIMフリーの5G/LTE対応がオプションとして選べる。
ディスプレイ機器を使うプレゼンテーションに欠かせないHDMI端子を装備
これからモバイルノートPCを在宅ワークでも頻繁に使う予定があれば、LAVIE Pro MobileのようにワイヤレスLANが最新規格の11ax/Wi-Fi 6対応とした製品を選びたい。なぜなら、ギガビット対応の高速回線、Wi-Fi 6対応のルーター機器と組み合わせたときに、Wi-Fi 6対応の端末は電波の到達範囲内で安定した高速通信ができるからだ。自宅に家族が集まって過ごす時間が長くなると、各自が同時にスマホやタブレット、PCを使ってネットにアクセスする機会が増える。Wi-Fi 6対応の環境であれば、多数のデバイスが同時にアクセスしてもネットワークの安定感が落ちない。ビデオ会議やビジネスファイルのダウンロードが途切れて仕事に支障を来す心配からも解放される。
ビデオ会議の音声も聴きやすい
テレワークのために設けられた、新しいLAVIE Pro Mobile/PM950の機能をチェックしてみよう。まずは「サウンド編」からだ。NECは19年に発売したLAVIE Pro Mobileからヤマハ製のAudioEngineを搭載している。薄型の筐体に内蔵するスピーカーの容積を最大限まで確保して、出力2Wのアンプを積んだ強力なオーディオシステムと連携する。その実力はエンターテインメント再生にも効いてくるが、本シリーズのユニークな所はビデオ会議などの音声品質を高めるために搭載した「ミーティング機能」だ。LAVIEかんたん設定から「YAMAHAサウンド」のメニューに入った場所に並ぶ「Meeting」タブから、内蔵スピーカーによる音の聞こえ方が調整できる。「パーソナル」を選ぶとPCの画面に1対1で向かい合うユーザーに通話相手の声がクリアに聞こえる。「マルチユーザー」を選んだ場合、画面の前に2、3人が並んだ状態でもそれぞれの人に声が聞こえやすくなるようにソフトウェア処理によって音場をつくる。筆者も試してみたが、おそらく誰にでもわかりやすく効果が感じられるだろう。