ドナルド・トランプ米大統領は、Tencentが運営する多機能メッセージング・ソーシャルメディア・決済アプリWeChatと米企業との取引禁止を計画していますが、もしApp Storeから同アプリが削除された場合、中国国内のiPhone出荷台数は最大で30%減少する可能性がある、と著名アナリストのミンチー・クオ氏が推測しています。
米国内でのみ禁止だと影響は最小限に
トランプ大統領は、ユーザー数の多い中国製アプリが米国市民のユーザーデータを取り扱うことは安全保障上の脅威になっているとして、人気動画共有アプリTikTokと、多機能アプリWeChatを米国内でサービス停止とする大統領令に署名しました。
TikTokに関しては、米企業が買収を行い、買収額の大部分が米財務省に支払われることを条件に、サービス継続を許可する意向ですが、WeChatについては代替案が語られていないため、App Storeで配信停止となる可能性が濃厚とされています。
問題は、トランプ大統領の定める”米企業との取引停止”がどこまで適用されるかです。もしWeChatが米国内のApp Storeからのみ削除されるならば、影響は最小限で済み、iPhone出荷台数は3%〜6%減、その他のAppleデバイスの出荷台数の減少は3%以下に抑えられるとの見込みです。
中国国内でWeChatが配信停止で出荷台数は30%減
トランプ大統領が、米企業であるAppleとWeChatおよび運営会社Tencentとの取引を全面的に禁止した場合、中国国内のApp StoreからWeChatが削除されるという事態もあり得る、とクオ氏は想定しています。
もしそうなった場合、WeChatは生活必需アプリとなっているため、中国でのiPhone出荷台数は25%〜30%減少すると推測されています。AirPods、iPad、Apple Watch、Macなどその他のAppleデバイスの出荷台数は、15%〜25%減となる見通しです。