マイクロソフトの研究部門である米マイクロソフトリサーチは3日(現地時間)、ゲーム開発における強化学習応用の研究プロジェクト「Project Paidia(プロジェクト・パイディア)」を発表した。強化学習によって、人が行うようなゲーム操作を人工知能(AI)に学習させ、「NPC(ノンプレーヤーキャラクター)」と呼ばれるコンピューターが動かすゲーム内キャラクターの振る舞いを人に近づけることを主に目指す。米マイクロソフトはマイクロソフトリサーチと協力し、機械学習のクラウドサービス「Azure Machine Learning」を通じて強化学習の開発環境などをゲーム開発者に提供済みだが、今回、この基盤を活用する。
Project Paidia は、マイクロソフト傘下のゲーム開発会社である英Ninja Theoryと実施。同社の対戦ゲーム「Bleeding Edge」において、プレーヤーを支援するNPCの制作にProject Paidiaを利用した。同ゲームはチームで対戦するので、チームメンバーの連携具合が勝敗を大きく左右する。それだけに、Project Paidiaでは、人のプレーヤーをうまく支援するようなNPCの実現に焦点を絞っている。なお、Ninja Theoryはマイクロソフトリサーチと同じ英ケンブリッジにオフィスを構えており、協業に適していたとする。
Project Paidia以外でも、AzureのAI技術基盤の各種機能をゲーム分野で活用している事例は少なくない。例えば、AzureのAI基盤にある「Personalizer」と呼ぶ、ウェブページ内における関連コンテンツの表示やレイアウトなどをパーソラナイズできる機能を利用し、Xboxのホームページでのユーザーエンゲージメントを40%向上させたとする。