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iPhone組み立て企業、“脱中国”でインドへ生産ラインを複数移転か

米中貿易摩擦の懸念や人件費などの高まりや、新型コロナウイルス感染症(COVID-19)で浮上した一極集中リスクなどにより、少なくないスマートフォンメーカーが中国から国外に組み立て拠点を移しつつあります(正確には契約する組み立て工場が拠点を移している)。そうした中で、このところインドへのiPhoneの組み立て工場移転に関する観測が相次いで登場しています。

最大50億ドル相当のiPhone生産

先日、Appleの意向でFoxconnがインドに10億ドル(約1,070億円)を投資し、iPhoneの組み立てを現地で加速させると報じられました。インドのFoxconn工場では現在、iPhone11シリーズが組み立てられています。

今回新たに登場したのは、現地メディアTime of Indiaによる、Appleと提携する組み立て企業が6つの生産ラインを中国からインドに移すといった報道です。この組み立て企業の名は明かされていませんが、インド国内向けのiPhoneを生産するだけでなく、国外輸出向けとして最大50億ドル(約5,350億円)相当のiPhoneが量産される見込みです。

iPhoneの平均販売価格(ASP)を仮に700ドルと見積もった場合、単純計算で約700万台以上のiPhoneが6つのラインで生産される計算です。Time of Indiaはこのライン移転によって、55,000人以上の現地雇用が創出されると述べています。また将来的には、iPadやMacシリーズの生産も見込まれているとあって、かなり大掛かりな計画となるようです。

組み立て企業全体が“脱中国”の潮流

ニュースサイトAppleInsiderは、ラインを移転する組み立て企業について、少なくともFoxconnではないと見ています。すでにFoxconnはインドに大掛かりな工場を有しているためです。また、Wistronもすでに3つの工場を同国内に持っています(中国にある最大の工場はLuxshareに売却)。

そうなると残りは、世界第2位のiPhoneの組み立て企業として知られるPegatronでしょう。くしくも同社については先日、iPhoneの組み立て工場をインドに建設する用意があると報じられたばかりです。

インド政府による積極的なテック企業の招聘方針とも相まって、こうした“脱中国”の動きは今後も世界的に加速していきそうです。



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