伊藤忠テクノソリューションズ(CTC)は7月30日、物流拠点の適正配置や廃棄ロスの削減など、多様な最適化ニーズに対応する、AIを活用したサプライチェーン最適化ソリューションの提供を開始した。製造業や物流業の企業を中心に提供し、3年間で15億円の売上を目指す。
新ソリューションは、AIを使用した需要予測とシミュレーションや数理最適化の技術を組み合わせ、発注量や在庫量、生産量、配送、物流拠点の配置、廃棄量など、企業の目的に合わせてサプライチェーンの問題点を特定し、継続的な改善につなげるもの。
過去の在庫や販売に関連する実績データと外部データからAIを使用して需要予測を自動的に生成するため、予測に関する専門的な知見も必要としないほか、予測をもとに在庫や人員、作業スケジュール、工場のレイアウトなどさまざまなものをシミュレーションし、目的に応じて全体を最適化するという。
シミュレーションソフトウェアは、生産ラインや物流、交通、事務業務などさまざまなプロセスを可視化し、計画の定量評価を可能にするLanner Groupが開発したWITNESSを使用している。CTCは、日本国内の総販売代理店として、自動車の生産ライン、物流センターの人員配置、交通シミュレーション、金融機関の窓口業務などにWITNESSを提供している。
また、数理最適化ソフトウェアはGurobi OptimizationのGurobi Optimizerを使用しており、生産や物流拠点の最適配置、配送における最適経路の算出などで国内でもさまざまな場面で活用されている。AIは、機械学習に必要な一連のプロセスを自動化するDataRobotで、データを投入するだけで素早く予測が行えるため、状況の変化に応じたサプライチェーン計画を策定することを可能としている。
今後、CTCは提供中のIoTを活用したデジタルツインソリューションとの連携も視野に新ソリューションの機能拡充を計画している。