Appleのティム・クック最高経営責任者(CEO)に向け、コソボのメリザ・ハラディナイ外務大臣が27日、書簡を送ったことをTwitter上で明らかにしました。Appleの提供する「マップ」アプリでコソボの国境が誤っていると判断したためです。
独立問題で揺れるコソボ
2008年にコソボはセルビアからの独立を宣言したものの、国際社会の中では独立国かどうかを巡って未だに議論が分かれており、日本を含む約100カ国が承認する一方、中国やロシアなどを含む残りの国は承認を拒否しています。
ハラディナイ外務大臣はクックCEOに宛てた書簡をTwitter上で公開、早急にコソボの国境を最新の情報に修正すべきだと主張しました。
書簡では、Appleのマップ上ではコソボがセルビアの一部かのように扱われており、「政治的および法的な現状と矛盾をきたしており、独立のために甚大な犠牲を払ってきた我が国民を傷つけるものだ」と批判がなされ、「侮辱と受け止められる」と厳しい言葉が並びます。またLinkedIn、Twitter、Facebook、Spotifyといったテック企業は、すでに自身のプラットフォームでコソボを独立国として扱っていることについても触れています。
執筆時点(2020年7月28日)では、Appleのマップと、Googleマップのいずれでもコソボとセルビアの国境は点線として表示されますが、Appleの方ではコソボの名称すら確認できず、あくまでもセルビアの一部といった位置づけです。
ただし、Appleはコソボを国として認識していないわけではなく、最近も「新しく20の国でApp Storeが利用可能になる」として、同国をその内の1つに含めています。