近年のハイエンドスマートフォンにおいて、競争力を左右する要素の1つがカメラ。iPhoneも例外ではなく、今年のフラッグシップiPhone 12(仮)シリーズについても様々な噂が伝えられてきました。
そんななか、アップルのインサイダー情報に詳しいアナリストがiPhone 12および2022年モデルに関する新たなレポートを発表しました。
米MacRumorsによると、有名アナリストMing-Chi Kuo氏は今後数年間のアップル向け部品サプライヤーの動向を詳述したレポートを公開したとのことです。まず2020年下半期(iPhone 12)と2021年には、韓国Semco(サムスン電機)と中国のSunny Opticalがレンズサプライチェーンに参入すると述べられています。これら2社は「最高のレンズサプライヤー」との賛辞つきです。
アップルは特定部品を一社独占供給とすることを避け、サプライチェーンを多様化する傾向があります。それは競争を激化させてコストを削減し、価格の決定権をサプライヤー側に握らせないためとも見られています。
ただ調達先がどうこうでは消費者として興味の埒外ではありますが、注目すべきはSemcoが提供する技術です。Kuo氏によると、iPhone 12には6枚構成のレンズとボール型VCM(ボイスコイルモーター)技術が採用され、後者はオートフォーカスと手ぶれ補正に利用される部品。これはiPhone 11世代やiPadに搭載されたスプリング型モーターに取って代わり性能を向上させるもので、Semco製が用いられるというわけです。
さらに2022年iPhone向けに、Semcoはペリスコープ望遠レンズの大部分を供給するとのことです。ペリスコープカメラ(屈曲光学系カメラ)とは、レンズやミラーで光軸を曲げることで、スマートフォンのような薄型のデバイスでも高倍率ズームを実現する技術。すでにファーウェイのP30 Proにも採用され、5倍の光学ズームを実現している等の先行例もあります。
クオ氏は今年3月、iPhone 12 Pro Max(ハイエンド大型モデルの仮称)の手ぶれ補正機能が新技術により向上することや、iPhone2022年モデルの少なくとも1機種にペリスコープカメラが採用されると予測していました。またアップルも2016年の時点で「折り畳まれた望遠カメラレンズシステム」なる特許を取得しており、早い時期からペリスコープを検討していた可能性が窺えます。
毎年のようにカメラ性能が上がることはユーザーも織りこみ済みではありますが、まだ見ぬ新機能が盛り込まれるとも期待できます。「Shot on iPhone ナイトモードで撮影チャレンジ」のような写真コンテストがまた開催されるのかもしれません。
2020-07-23 23:16:55