Facebookが新型コロナウイルス感染症(COVID-19)に関する誤報の拡散を防ぐために、登録者数9600人超のアンチマスクグループである「Unmasking America」を削除しました。
Facebookは新型コロナウイルス感染症に関する誤情報拡散を防止するためのポリシーを設けているのですが、このポリシーに違反したとして、Facebook上で最大級のアンチマスクグループを形成していた「Unmasking America」を削除したことが明らかになりました。
Unmasking Americaは「マスクについての真実を広めるため」に組織されたグループで、マスクについて「酸素の流れを妨害し、心理的に負の影響を与える」「マスクは抑圧、奴隷化、認知的服従のための心理的なアンカー」「マスクを着用すると、すべての人間を危険・感染・脅威だと宣言することに加担することとなります」と主張していました。
Unmasking AmericaはFacebook上で「Unmasking(脱マスク)」と検索すると簡単に見つかるグループのひとつです。これらのアンチマスクグループは基本的にプライベートグループとなっており、グループの管理者が承認しなければメンバーとしてグループに加わることはできません。しかし、各グループ内で議論されているのは同じテーマで、どのグループでも医療専門家が公衆衛生のためにマスクの着用を推奨することに反対しています。アメリカ疾病予防管理センター(CDC)はすべての公共の場でマスクを着用することを推奨しており、簡単に作れる布マスクのレシピも公開しています。
海外メディアのThe VergeがFacebookに問い合わせたところ、「新型コロナウイルス感染症に関する有害な誤報を広めることに関する明確なポリシーがFacebookには存在しており、他のグループを評価している間に今回のグループを削除することにしました」という返答があったそうです。
なお、Facebookではあるグループが誤報を繰り返し共有する場合、ユーザーのニュースフィード上に当該グループのコンテンツ表示する頻度を下げ、グループメンバーが増えることを抑制するためにグループへの参加を促すような提案を止めるとのこと。
今回削除されることとなったUnmasking Americaのグループページ上には、Freedom to Breathe Agency(呼吸の自由機関)を自称する団体が発行している法的効力を持たないカード「フェイスマスク免除カード」へのリンクも存在しており、あるユーザーはこのカードを印刷し、ラミネート加工して使用することを推奨していたそうです。
なお、他にもFacebookは古い記事を共有しようとするユーザーに警告を表示する機能などを導入することで、誤った情報が拡散することを防ごうとするなど、新型コロナウイルスに関する誤報を防ぐための施策を行っています。