豪州に本拠を置くハードウェアスタートアップのEspresso Displays(エスプレッソディスプレイ)は、比較的目立たないが機能的な参入品が多く、デザインと品質の向上だけでなく追加機能もあり競合とは一線を画す。Espresso Displayはポータブルで使えるよう、簡易な収納性、マグネットマウンティング、最新のMacとも互換性のあるUSB-Cケーブルによる接続、内蔵スピーカー、2.5mmオーディオ出力を備え、さらにオプションでタッチ機能をつけられる。
Espressoのディスプレイには、13.3インチモデルと15.6インチモデルの2つのサイズがある。ディスプレイ自体は非常に薄く軽量で、厚さは0.2インチ(約5ミリメートル)弱、重さは2ポンド(約0.9キログラム)未満だ。ディスプレイパネルはタッチセンシティビティーを備えており、Macにタッチ機能を有効にするドライバーをインストールすると連携して動く。
ディスプレイはガラスとアルミニウムでできており、非常に高品質に感じられ、MacBookとも合う。側面には2つのUSB-CポートとミニHDMIポートがあり、オーディオ出力用の2.5mmミニステレオジャックがある。USB-Cポートの1つは電源専用、もう1つはディスプレイ接続用で、最近のMacでは可能なケーブル接続のみによる電力供給もサポートしている。
Espressoは4K解像度で、オプションの折りたたみ式ディスプレイスタンドに固定する磁石を利用した独自の組み立てシステムを備える。従来のスタンドやマウンティングアームに取り付けるためのVESAマウントアダプターもある。運ぶときにディスプレイを保護するソフトケースも含まれている。
同社は現在、Indiegogo(インディーゴーゴー、クラウドファンドングサイト)でディスプレイ生産に必要な資金を調達しているが、大量生産に近づいており、テスト用に筆者に送られたユニットは間違いなく完成品のように感じられた。13インチバージョンは現在249ドル(約2万7000円)だが、一般販売時の小売価格は320ドル(約3万4000円)になる予定。ディスプレイ15の小売価格は350ドル(約3万7000円)となる予定だ。
デザインとパフォーマンス
Espresso Displayは、実際のパネルの画質と色だけでなく、筐体の品質と材料の両方に関しても競合他社より優れている。筆者は最近Amazon(アマゾン)で購入した15.6インチのポータブルディスプレイを使っている。場所を変えて作業したいときにデスクトップを拡張する満足度の高いソリューションではあるが、演色性とプラスチック製の筐体は明らかに平均以下だ。
Espressoのガラスと金属の組み合わせは、筆者のMacBook Proと相性が非常に良いと感じる。Apple(アップル)の出力に合わせて色を調整することはできないが、組み込みのプロファイルは概ね快適で、かなり正確な色が出せる。明るさも十分で、文字や画像を4K解像度と優れたコントラストで鮮明に映し出す。
また、筆者がAmazonで購入した一般的なディスプレイとは異なり、Espresso Displayの場合、MacBook Proを使うときコードは1本で足りる。一般的なディスプレイではUSB-C接続だけでは十分な電力が得られないため、アダプターを接続する必要がある。Espressoはこの点でも問題なく動作し、付属のUSB-Cケーブルを使用すれば、外出先でも本当にコード1本ですぐにつなげられる。
Espressoはタッチ機能も備えており、グラフィックス作業などに便利。小さなスタイラスが付いているが、単なるWacomの代替品だと考えないでほしい。ペン入力用ではなくマルチタッチ操作用のため筆圧感度は足りない。タッチ機能はマグネットスタンドの(物理的な)柔軟性によってさらに使いやすくなっている。マグネットスタンドは裏返しにして低角度のモードにすると、ディスプレイを使った作業が楽になる。スタンドを上げてiMacのような向きにしたり、文書やコーディングの際に縦向きにするのも簡単だ。