デジタルセキュリティおよびプライバシー製品を提供するアバストは「Global PC Risk Report 2020」を発表し、世界的に家庭用PCユーザーがサイバー脅威に遭遇するリスクが高まっていることを明らかにしました。
家庭用PCユーザーのマルウェア遭遇リスクは25.6%
レポートによると、家庭用PCユーザーがあらゆる種類のマルウェアに遭遇するリスク比は25.6%で、前年の20.1%から上昇しています。
また家庭用PCユーザーが高度な脅威に狙われるリスク比は6.7%で、5.6%だった前年に比べ20%増加しています。アバストは、シグネチャ、ヒューリスティック、エミュレータ、URLフィルタリング、メールスキャンなど、セキュリティソフトウェアの一般的な保護技術を回避するように設計された未知のサイバー脅威を「高度な脅威」と定義しています。
リスクが最も高いのは関東地方
日本では、家庭用PCユーザーがあらゆるタイプの脅威に遭遇するリスク比は、17.2%から20.6%に増加しました。日本で高度な脅威に遭遇するリスク比は4.6%で、こちらも前年の4.4%に比べて増加しています。地域別では、家庭用PCユーザーがあらゆる脅威および高度な脅威に遭遇するリスクはいずれも関東地方が最も高いことがわかりました。
日本でのサイバー脅威のリスクに関して、アバストのセキュリティエバンジェリストのルイス・コロンス氏は次のように述べています。「サイバー犯罪者は通常、特定の地域や市ではなく国単位で標的を選んでいます。今回の結果については、関東に住んでいる人々が多く狙われているということではなく、そのエリアに居住する方のインターネット使用率が他の地域に比べて高く、より被害に遭うリスクが高い状況にあるということを示唆しています。中でもゲームサイトや動画ストリーミングサイトへのアクセスが特にリスクが高いことがわかっています。攻撃を防ぐために、可能な限りすべてのデバイスに信頼性の高いセキュリティソリューションをインストールすることが重要です」
サイバー脅威のリスクが最も高いのは中国
家庭用PCユーザーが脅威に遭遇するリスクが最も高い国は、2018年から2019年にかけてわずかに変化し、エチオピア、エジプト、ベトナム、ラオス、ミャンマーに代わり、ベネズエラ、アルジェリア、セントルシア、イエメン、アンゴラがトップ10に入りました。日本は、サイバー脅威のリスクが最も低い国の1つであり、あらゆる種類のマルウェアに関しては8番目、高度な脅威に関しては6番目にリスクが低い国でした。
2020年度 サイバー脅威のリスクが最も高い国:
中国 43.67%(前年度:3位)
アフガニスタン 43.30%(前年度:1位)
ベネズエラ 41.84%(前年度:11位)
イラン 40.17%(前年度:2位)
アルジェリア 39.41%(前年度:13位)
パレスチナ 39.33%(前年度:5位)
マダガスカル 37.71%(前年度:8位)
セントルシア 37.39%(前年度:71位)
イエメン 37.35%(前年度:14位)
アンゴラ 36.75%(前年度:12位)