ノースロップ・グラマンは2020年7月14日(アメリカ西部時間)、偵察機ファイアバードに新たに採用された地上センサーの試験を含む、複合ミッション試験を実施し完了したと発表しました。4日間にわたる試験飛行で、ファイアバードは同時に複数のデータを収集し、リアルタイムで画像の生成に成功したとしています。
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ノースロップ・グラマンのファイアバードは、およそ7500mの中高度を30時間以上という長時間飛行するタイプの偵察機。ユニークな特徴は、無人偵察機としてだけでなく、無人操縦ユニットをコクピットユニットと交換し、人間が乗って操縦することも可能な点です。
今回の試験で特に重点が置かれたのは、新たに採用したオーバーウォッチ・イメージング製のTK-9「アースウォッチ」地上センサーです。可視光や赤外線など、様々な波長の光を使って地上の様子を同時にスキャンし、AIを活用してリアルタイムで画像生成が可能なアースウォッチは、山火事など刻々と変わる状況を素早く把握する能力に長けています。
4日間の試験期間中、ファイアバードは広域監視、生活パターンの監視、捜索救難、特定目標の追跡、人質奪還、火災における火元の検出など様々なデータ収集ミッションを実施。昼夜を問わずファイアバードの能力を100%引き出す10時間以上の有人フライトを4回行なったといいます。
ノースロップ・グラマンの無人機システム部門を統括するジェーン・ビショップ副社長は「今回の試験では、新しいセンサーを素早くシステムに統合し、ファイアバードの運用面における柔軟性を利用して、システムのユニークな機能を実証することができました。ファイアバードの通信機器とデータ生成能力を我々の仮想フィードに当てはめ、飛行中の動きをリアルタイムで表示できるようにしました」と、試験について簡単に説明しています。
新たな地上センサー、TK-9「アースウォッチ」を手に入れたファイアバード。ノースロップ・グラマンでは、迅速にセンサー組み込みが可能な点を官民の顧客にアピールし、さらなる売り込みにつなげたい考えです。