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マイナンバーカードに暗証番号があるのはなぜ?覚えておきたい忘れた時の対処法

保有することで、公的な身分証明書として利用できる上、住民票などの証明書がコンビニで取得できるマイナンバーカード。2020年9月からは「マイナポイント制度」による還元施策も予定されていることから、まずます注目を集めている。

しかし、「特別定額給付金」のオンライン申請の際、マイナンバーカードの暗証番号を忘れたことにより、手続きがスムーズに行えない人が続出したニュースは記憶に新しい。

そこで本記事では、マイナンバーカードの暗証番号についての基本情報や、忘れた場合の対処法などを解説する。きちんと内容を理解した上で、安全にマイナンバーのメリットを享受しよう。

マイナンバーカードの暗証番号って何?

はじめに、マイナンバーカードになぜ暗証番号があるのか、何桁に設定されているかなど、基本的な部分を解説する。

なぜ暗証番号があるの?

マイナンバーカードには、個人の大切な情報が記録される。身分を証明するものでもあるため、暗証番号を設定することで、第三者のなりすましを防ぐのが目的だ。

暗証番号は何桁?

マイナンバーカードは、全部で4種類(うち3種類は同一番号も可)の暗証番号が存在する。

一つ目は、「作成・送信した電子文書が、本人が作成した真正なものであり、本人が送信したものであること」を証明する“署名用電子証明書”で「半角英数字6 文字以上 16 文字以下」の署名用パスワードを設定する。

残りの3種類は、「ログインした者が本人であること」を証明するための「1)利用者証明用電子証明書」「2)住民基本台帳」「3)券面事項入力補助用」で、数字4桁の暗証番号を設定する。これら3種類はどれも同じ暗証番号を設定することも可能だ。

4種類もの暗証番号が設定されている理由は、マイナンバーカードのICチップにある。ICチップには「1)公的個人認証AP」「2)券面事項確認AP」「3)券面入力補助AP」「4)住基ネットAP」という4つのアプリが入っており、それぞれのアプリごとに異なる暗証番号を設定することで、セキュリティの精度を高めている。

いつ決めるの?

マイナンバーカードの交付申請を行うと、およそ1か月で市区町村から交付通知書が自宅に届く。記載された期限までに住まいの市町村交付窓口に出向き、本人確認の上、暗証番号を設定する。

簡単な数字の並びや生年月日など、推測されやすい番号は避けるようにしよう。また、市区町村の窓口を訪れる前に、それぞれのパスワードを決めておくと、スムーズに受け取りができる。

暗証番号を使う場面は?

“署名用電子証明書”で設定する署名用パスワード(半角英数字6 文字以上 16 文字以下)は、e-Taxなどインターネットで電子申告を行う際などに利用する。この署名用パスワードは、10万円の特別定額給付金の電子申請の際にも必要となり話題になった。

数字 4桁の暗証番号を使用する主な場面は以下のとおり。

利用者証明用電子証明書 :マイナポータルや住民票などの書類をコンビニで交付する際などに本人確認として使用。
住民基本台帳:マイナンバーカードの住所や氏名を更新する届出をする際などに、窓口で本人確認として使用。
券面事項入力補助用:個人番号や基本4情報(住所、氏名、生年月日、性別)を確認し、テキストデータとして利用する際に使用。

電子証明書のパスワードとは違うもの?

「電子証明書」とは、信頼できる第三者(認証局)が間違いなく本人であることを電子的に証明するもので、書面取引における印鑑証明書に代わるもの。マイナンバーカードのICチップには、“署名用電子証明書”と“利用者証明用電子証明書”の2種類の電子証明書が標準搭載されている。

先述したとおり、“署名用電子証明書”では半角英数字6文字以上16文字以下の署名用パスワード、“利用者証明用電子証明書”では数字4桁の暗証番号と、異なるものが設定される。

マイナンバーカードの暗証番号に関する注意点

ここからは、暗証番号に関する注意点、忘れた際の対処法を紹介する。暗証番号は、「忘れないもの」かつ「第三者に推測されないもの」に設定するようにしよう。

暗証番号の確認方法

暗証番号はセキュリティ対策のために設定されているため、基本的には後から確認することはできない。しかし、自治体によっては、暗証番号を設定した際に「控え(暗証番号記載票)」にパスワード等を記入して渡してくれるケースもあるようだ。まずは、受け取りの際にもらった控えを確認してみよう。

控えが見つからない場合で「思い当たるパスワードがあるが、自信がない」ときには、「JPKI利用者ソフト」アプリを活用しよう。「JPKI利用者ソフト」をインストールしたら、アプリを開き「自分の証明書」をタップ。確認したい電子証明書を選択すると、次の画面でパスワードの入力画面が表示される。ここで思い当たるパスワードを入力してみて、エラーにならなければ入力したパスワードが正しかったことになる。

ただし、ここで5回間違えてしまうとパスワードがロックされてしまうので要注意。1~2回試して解決しなければ、パスワードの初期化を検討しよう。

暗証番号を忘れた場合、再設定はできる?その場合の手続きは?

パスワード・暗証番号は、現在の番号を入力しなければ新たなものに変更ができない。完全に忘れてしまった場合には、住民票登録のある市町村窓口に出向き、最初から設定し直す手続きを行うことが必要だ。

定期的に変える必要はある?

有効期限がなく継続して利用できるとはいえ、情報漏洩の可能性を考えると、定期的に変更することも大切だ。

パスワード・暗証番号自体には有効期限は設けられていないが、署名用電子証明書用の署名用パスワードは、住所や氏名を変更すると自動的に失効してしまう。引越しをした際は、転入届の手続きとあわせてマイナンバーカードの住所変更も忘れずに行うようにしよう。そのため、引越しのタイミングでパスワードを変えるのもいいだろう。

暗証番号変更の手続きは、現在のパスワード・暗証番号を覚えている場合は、発行を受けた市町村窓口だけでなく、パソコンやスマホ、マイナポータルAPからも変更ができる。

間違えるとロックがかかるって本当?

暗証番号は、続けて入力を間違えるとカード機能にロックがかかる。署名用パスワードは5回、4桁の数字の暗証番号は3回連続の誤入力でロックがかかってしまうため最善の注意を払いたい。

ロックがかかってしまった場合は、暗証番号を忘れてしまった時と同じく市町村窓口に出向き、リセットして最初から設定し直す手続きを行わなければならない。



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