iPad Pro用のカバー付き一体型キーボードと言えば、ご存知タッチパッド付属の「Magic Keyboard」に加えて、従来の「Smart Keyboard Folio」の2種類が、純正品として用意されている。
ノートPCライクに使えることから注目度も高いMagic Keyboardだが、かなりの重量があって気軽に持ち歩けないことに加え、折り返してフラットにできないという構造上の制約があり、あらゆるシーンで使える万能さはない。
一方のSmart Keyboard Folioは、折り返して持つことができ、持ち歩きにも適しているが、ペコペコとした入力感は独特で、合う人と合わない人がはっきり分かれがちだ。
この両者の、中間に相当するカバー付きキーボードが、今回紹介するロジクールの「SLIM FOLIO PRO」だ。メーカーから機材を借用できたので、どのような特徴を持つ製品なのかを、前出の2製品と比べながらチェックしていこう。
なお、今回は主に11インチ版を中心に評価し、12.9インチ版との相違点は個別に記載する。
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Bluetooth接続の一般的なカバー付き一体型キーボード
本製品は、iPad Pro本体の周囲を覆う樹脂製の保護ケースに、薄型キーボードが合体した仕様だ。カバー付き一体型キーボードとしては、スタンダードな仕組みである。持ち歩く時はキーボードを画面に向かい合わせて閉じ、キー入力時はスタンド状に立てて使用する。
取り付け方は、まず軟質樹脂でできた外周部にiPad Pro本体をはめ込む。同種の製品では、本体をはめ込む時にボタン類が不用意に押されることを避けるため、まずボタンのある側を先にはめ込み、次いで反対側を押し込むのが一般的だが、本製品はその逆で、ボタンのある側を後からはめ込む順序になる。
装着が完了し、本体を起こしてキーボード上部にあるマグネットにケース端を吸着させれば、電源が自動的にオンになる。初回はBluetoothのペアリングが実行されるので、画面上に表示された6ケタの数字をキーボードから入力すると、利用可能になる。
マグネットで吸着させるポイントは1カ所しかなく、角度は固定(58度)とされているが、背面の折り返し方を変更すれば、垂直寄りの角度で立てることもできる。正規の使い方ではないが、知っていれば役に立つことがあるかもしれない。
ちなみにこの手の製品は、一度装着すると本体の取り外しに一苦労する場合も多いが、本製品は側面全てを覆っているわけではないため、比較的簡単にiPad Proを取り外せる。24時間365日カバーをつけたまま運用することは考えにくいので、ここは評価できるポイントだ。
本製品はバッテリーを内蔵しており、充電は側面のUSB Type-Cポートから行う。iPad Pro側から電源を供給する仕組みはなく、完全に独立している。1回のフル充電で3カ月使用できるとはいえ、使い勝手としてはややわずらわしい。