水難を防ごうと、海水浴場ではライフガードが海水浴客を見守る。沖に行き過ぎている人がいないか、溺れている人がいないか絶えず注意を配らせる。
だが、それには限界がある。特にビーチが長かったり、海水浴客が多かったりする場合は難しい。そこでイスラエル企業Sightbitが開発したのは、設置したカメラがとらえた映像を人工知能(AI)が分析し、リスクをライフガードに知らせるシステムだ。
リスク感知でアラート
Sightbitのシステムは、現場に設置されたカメラがとらえた映像がコンピュータービジョンシステムを備えたライフガードの監視タワーへと送られ、そこで深層学習ベースのアルゴリズムを使って分析されるというもの。
システムが検知するのは、溺れている人や、大人とはぐれている子供など。また海水浴客に近づき過ぎているボートなども検出する。そうしたリスクが感知されるとライフガードにアラートで知らせる。
異変をいち早くキャッチ
また、このシステムではアラートを出すとともに、リスクを検出した箇所をスクリーンにズームで映し出す。なのでスタッフは、たとえば海水浴客が本当に溺れているのか、あるいはふざけているだけなのかを見極められる。
そして必要に応じて監視タワーからビーチにいるライフガードに連絡をとるなどして、ただちに行動を取れる。水難事故ではいかに早くアクションを取れるかが生死を分けるだけに、異変を早くキャッチすることで事故を減らすことができる。
Sightbitはイスラエルのネゲブ・ベン=グリオン大学のスピンオフ企業。このシステムは間もなくイスラエル自然・公園局がパルマヒム国立公園内の延長8キロのビーチで間もなく試験運用するほか、欧州や米国でもパイロット展開されることになっている。