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新型コロナ追跡アプリ開発についてイギリスが独自路線を捨てGoogle・AppleのAPI利用へ方針転換

新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)の感染者を追跡し、濃厚接触者に通知を送るという試みは、AppleやGoogleのほか、各国政府も積極的にアプリ開発に取り組んでいます。イギリス保健省も3月から独自アプリを開発していましたが、2020年6月18日、方向を急転換してApple・Googleが共同開発したAPIを利用することを発表しました。

イギリス政府が独自に開発を進めていたのは、スマートフォンユーザーがSARS-CoV-2の感染者に接近した時に、ユーザーに通知を送るというアプリ。

イギリスの国民保険サービス(NHS)はパンデミックの発生を受けて2020年3月にアプリの開発を開始し、5月5日からイングランド南部のワイト島でアプリの試用を開始しました。このとき、5月中旬からイギリス全土でアプリが展開される予定だと発表されましたが、NHSのアプリはワイト島でのテスト中にiOS端末の4%、Android端末の75%でしか認識されないことが判明しました。

6月17日にアプリ開発の責任者であるジェイムズ・ベセル氏はアプリについて「冬までには形になる予定だが、アプリは政府の優先事項ではない」と述べ、ワイト島での試用の結果、「人は悪いニュースを聞く時に、メールやテキストメッセージではなく、生身の人間から連絡されることを好んだ」とも発言しています。

そして6月18日付でイギリス保健省は、NHSの追跡アプリを、GoogleやAppleがデザインしたアプリに置き換える計画を発表しました。保健省はこれまでGoogle・Apple製の追跡アプリの利用を否定してきたことから、これは大きな方向転換といえます。保健大臣のマット・ハンコック氏によると、Bluetoothを利用したNHS製アプリは、ユーザー同士が1m離れているのか3m離れているのか区別できず正確な距離を示せなかったほか、ユーザーが建物の内側にいるのか外側にいるのかも判別できなかったことが報告されています。

ハンコック氏は具体的なアプリの公開日を発表していませんが、秋から冬頃となる予定だとみられています。



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