パイオニア製電子聴診器MSS-U11C
パイオニアは6月10日、広島大学との共同研究による、聴診音解析AIを応用した「呼吸音遠隔モニタシステムに関する研究開発」が新型コロナウイルス(COVID-19)へ対応する取り組みとしてAMED(日本医療研究開発機構)の「ウイルス等感染症対策技術開発事業」に採択されたと発表した。
パイオニアは、主力のカーエレクトロニクス事業のほか、独自の光・音・映像技術を用いた医療・健康機器関連事業を展開。2013年より広島大学大学院医系科学研究科救急集中治療医学と、医療現場における聴診の課題解決に向け共同研究を行っている。
今回、同大学の志馬伸朗教授を代表者とする「呼吸音遠隔モニタシステムに関する研究開発」が、AMEDの公募する「ウイルス等感染症対策技術開発事業」に採択された。公募は、感染症の課題解決につながる研究開発や、新型コロナウイルス感染症対策として、現場のニーズに対応した機器・システムの基礎研究・実証・改良研究を支援することが目的。その一つとして採択された本研究開発には、パイオニアの電子聴診器および聴診音解析AI技術が用いられている。
同社はこれまで、広島大学との共同研究活動を通じて、電子聴診器を用いた呼吸音を可視化できる解析システムの技術を開発してきた。本研究開発では、それらの技術を基に、患者に接触することなく呼吸状態を定期的に観察して重症化兆候を捉えることを実現。重症患者や経過観察中の軽症患者のケアにて、医療従事者の感染リスクを抑制するために、迅速かつ的確な処置・介入判断を行うための評価手段として利用可能なシステムの開発、製品化を目指す。