新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛による高齢者の認知症や要介護状態になるのを予防するため開発されたスマートフォン用アプリ「オンライン通いの場」=5日午後、厚生労働省
新型コロナウイルスの感染拡大に伴う外出自粛で高齢者の認知症や要介護リスクが高まっているとして、国立長寿医療研究センターは9日までに、高齢者の散歩ルート作成や自宅でできる体操を紹介するスマートフォン用アプリを開発したと発表した。
対象は65歳以上で、無料でダウンロードできる。公園などの公共施設までの道のりを地図上に示す「おさんぽ機能」や、各地で考案された体操約50種類を紹介する。今後機能を拡充し、しり取りや計算をしながら運動する認知症予防動画を提供するほか、社会とのつながりを維持できるよう飲食宅配代行サービス「ウーバーイーツ」やネット通販「アマゾン」などとも連携する。
同センターが4月23~27日にかけて実施した調査では、意識的に運動ができていると回答した高齢者は5割にとどまった。感染拡大前と比べ、1週間当たりの身体活動時間は約3割減少したことも調査で判明し、身体機能の低下などが懸念されるという。
4月末に成立した2020年度第1次補正予算に盛り込まれた約1億円で開発。同センター担当者は「感染予防と身体活動のバランスを適正に保つことが重要。自粛している間にも、少しずつ活動をしてほしい」と話している。