MicrosoftがMicrosoft NewsやMSN Newsにおいて、「ジャーナリストを人工知能(AI)に置き換える」という計画を開始。実際にジャーナリストを解雇し始めたことが明らかになりました。
Microsoft is cutting dozens of MSN news production workers and replacing them with artificial intelligence | The Seattle Times
Microsoftは1995年にポータルサイトサービスであるMSNを立ち上げて以来、25年以上にわたってニュースビジネスを展開しています。Microsoftが運営するMSN NewsやMicrosoft News、ブラウザであるMicrosoft Edge上で配信される「マイニュース」では、他の報道機関が作成した記事にMicrosoftが手を加えた記事が日々報じられています。
そんなMicrosoftのニュース部門に関して、人間ではなくAIが記事の選択・編集・キュレーションを行いつつあることが明らかになりました。アメリカでは人材派遣会社のAquent・IFG・MAQ Consultingを通じてMicrosoftと契約していた約50人のジャーナリストや編集者が、イギリスでは通信社のPA Mediaを通じてMicrosoftと契約していた27人が「2020年6月30日以降は契約を打ち切る」と言い渡されていたことが判明。この原因について、ある従業員が匿名を条件に「MicrosoftはジャーナリストをAIに置き換える予定」だと明かしました。
MSNは報道機関が報じた記事の中から、アルゴリズムによって「ヒットしている記事」を特定。AIによって見出しを書き直したり、写真やスライドショーを追加してコンテンツを最適化したりする予定とのこと。これまでにもAIによる自動化は推し進められてきたそうですが、Microsoftは6月30日以降にかなりの部分をAIに置き換える見込みです。
なお、AIによって置き換えられるのは人材派遣企業を介した契約社員のみで、Microsoftが直接雇用している編集者は今後も雇用が継続されるとSeattle Timesは報じています。この一件について、Microsoftの広報担当者は「全ての企業と同様に、我々は定期的にビジネスを評価しています。その結果として、一部の部門への投資が増加し、場合によっては他の部門に置き換えられるということが起こりえます。これらの決定は、新型コロナウイルス感染症のパンデミックは関係ありません」とコメントを発表しています。