ロボット開発を手がける米ボストンダイナミクス社と、ロボットの遠隔制御ソフトを開発するニュージーランドのRocos社が提携し、牧畜業や農林業への本格的なロボット導入に乗り出した。
丘陵地を難なく移動する四足歩行ロボット
ボストンダイナミクス社の四足歩行ロボット「Spot」は、段差や斜面の多い丘陵地など、他のロボットが進めないような地形を難なく移動することができる。また、障害物があればSpotはそれを認識し、身をかがめたり迂回するなどして自律的に回避する。
このSpotを、Rocos社の遠隔操作技術と組み合わせることで、牧畜や農林業をはじめとした様々な産業に役立てようというのが今回の提携の目的だ。
両社は開発中の遠隔制御システムを、ニュージーランドの丘陵地でテストし、Spotに牧羊犬の仕事をさせた。Spotの制御は、米国ボストンにいるボストンダイナミクスのスタッフが、Web経由で行った。その動画が、同社のニュースリリースやYouTubeで公開されている。
地球上のどこからでもミッションを指示
SpotをRocos社の遠隔制御プラットフォーム上で動かすと、カメラやセンサーから送られた情報を見ながら、遠隔地にいるオペレーターが状況に応じたミッションを作成・編集し、Spotに送れるようになる。また、特別な場合にはSpotの自律行動を止めさせ、一挙一動をマニュアルで操作することもできるという。
ニュースリリースの中で、Rocos社のCEOであるDavid Inggs氏は、ロボットが産業の中で果たす役割についてこう言っている。
自律型ロボットの時代はすでに始まっています。生産効率を新しいレベルに上げるためにこの技術を導入しようといういくつかの組織と、我が社は現在プロジェクトを進めています。そういった組織は、退屈な単純作業や汚い仕事、危険を伴う仕事をロボットにやらせることで、人間の労働力を増強しようとしているのです